●更新日 07/12●


ドラゴンゲートのサル譲渡手続きは動物愛護法違反


プロレス団体「ドラゴンゲート」が飼育していた「コラ」というサルの問題について、続報をお届けする。 (関連記事 1 2 3 4 5 6 7 8)

以前の記事で触れたように、コラが福島県に移送・譲渡された経緯について、探偵ファイルでは福島県県北保健所に取材した。その際、ドラゴンゲートの虐待問題や鳥獣保護法違反疑惑等については当サイトの取材で初めて知ったと、担当者は述べた。

ところが、神戸市の保健福祉局健康部生活衛生課に尋ねたところ、上記の発言は事実に反する可能性があることが判明した。ドラゴンゲートは神戸市の了承を得ないで福島県にコラを移送し、事後的に手続きを行なった。しかし、福島への移送が確認された時点で、神戸市は虐待問題等も含め、各種の情報を一通り福島県県北保健所に提供したという。

そうであるならば、福島県県北保健所の担当者が、関連情報を全く知らなかったなどということは考えにくい。各種の問題を知りながら、それらを黙認したのだろうか。逆に本当に知らなかったのなら、情報の確認さえできていなかったことになり、現場の担当者として実に無責任だ。



もう一つ紹介したい論点がある。7月2日の記事で、「手続き自体は移送・譲渡前でなければならないわけではない。ドラゴンゲートは、この点を巧みに利用したのだろう」と記した。しかし、これは不正確であり、ここにも問題点があったことが、環境省の自然環境局総務課動物愛護管理室への取材で明らかになった。

鳥獣保護法によると、手続きは移送・譲渡前でなければならないわけではない。その点で、上記は誤りではない。しかし、ここに動物愛護法が絡んでくる。同法の第26条では、動物を飼育するに当たって、その種類や数、目的、飼育する場所や施設の大きさ等について、書類にて報告することを義務付けている。飼育を始める前の段階で書類を保健所に提出し、了承を得られた上で初めて許可が下りるという。





したがって、ドラゴンゲートは動物愛護法に反する方法で強引に福島に移送・譲渡していたことになる。そして、福島県県北保健所は、この問題を無視して飼育許可を出してしまったのである。
保健所は「手続きの正当性」を主張するが、

実際には動物愛護法違反を追認していたということだ。

今後も本件の再調査はしないと、保健所の担当者は明言していた。
だが、同所の杜撰な対応そのものが調査の対象とされるべきではないか。




高橋



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