●更新日 06/02●
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のんさんの日記 『連帯保証人4〜拷問〜』





前回のつづき


マンションを出たあと、駅近くのルノアールに寄った。

言葉を投げつけた一面が別人だったかのように、ともぼーは明るく饒舌になっていた。


「のんちゃん、本当にアリガト。これで、みっちゃんを助けてあげられるよ。」


写真


外の空気を吸った事でやっと正気を取り戻した私は、笑う事などできず、目線も下に落としたまま呆然とテーブルの脚を見ていた。


「ホントはゆっくりお茶したいんだけど、みっちゃんに早くお金渡してあげたいから、先に行くね。」


いそいそと、ゆさゆさと、体を揺さぶって笑顔で手を振り、店を出て行く彼女。

私は、焦点の合わない目でそれを見送った。

ともぼーの首から胸のあたりをぼんやり見ていた風景が、今でも焼き付いている。


それが、ともぼーとの、最後だった。



「オラァ!おまえどうやって落とし前
つける気でおるんじゃあ!!」


連れて行かれたのは、ともぼーと訪れたあの同じ部屋だった。

同じソファに座らされ、私はひたすら恫喝されていた。


部屋の中には今度も男が4人。

膝が震えていた。

怖かった。

涙もひたすら流れた。


この、ドラマに出てくるまんまの様な恫喝しかしない男は、


「おまえ、どうやって金払うんじゃコルァ!」

「そ…

「オラァ!ふざけてんじゃねえぞ!!なめてんのかオォ!?」

「だ…

「答えろゴルァ!!!」

「さ…


私に投げかけてくるクセに、答えようと口を開くと即座に被せて恫喝してくる。

これを連発でやられるのだからたまらない。

同時に、すごい声量で頭がクラクラしてくる。

拷問だ。

この男はこういう役割なのだろう。


けれど、そのうちいい加減こっちも頭が混乱して暴挙に出てしまった。

立ち上がって、その男の顔に向かって私もわめいたのだ。

混乱していたので、何を口走ったかははっきり覚えてはいないが、


「さっきからうるせーんだよコノヤロー!答えようとしてんのにテメーが遮ってんだろうが!!」


といったあたりだったと、思う。



のん のん


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