●更新日 05/18●
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のんさんの日記 『連帯保証人2〜他人事〜』





前回のつづき


翌日、午後4時。

私は、ともぼーに連れられ、都内某所にあるマンションの一室にいた。

そう、結局断れなかったのだ。


写真


夜に私から電話をすると伝え別れたのに、午後6時過ぎからともぼーの凄まじいほどの着信攻勢。

私はバイト中であったが、ポケットの中で常に震え続けている携帯に観念して、バイトを中座して電話に出た。


電話の向こうで彼女は、いかに自分が今不安であるかを、熱心に訴えかけた。

私しか頼める人がいないこと、そして断られたら自殺するようなこともほのめかした。

もはや、頼み事というよりも、私の良心への脅迫だった。


それでも私は…下唇を噛みながら彼女の話を聞くことで、なんとか必死に遮断を試みていたのだが…

「このお金は、みっちゃんを助けてあげるためのお金なの」

みっちゃんというのは、ともぼーの彼。つまり、私のカレの親友だ。


ともぼーの話によると、みっちゃんが300万円の借金をしており、それを明日までに払えないと大変なことになってしまうという。

「のんちゃんもずっと、りゅーくんのことが好きだったんだよね?
ともぼーも同じなの。みっちゃんのことが大事なの。守ってあげたいの」

ともぼーに深入りしちゃいけない。だけど・・・

ともぼーは大事な人を助けてあげたいだけ。

そんなともぼーが、私を裏切る?

ううん、私の方がともぼーを見捨てようとしてるんだ。


頑に閉じようとしていた扉に少しの隙間ができると、後はあっけないほど早かった。


かくして、私はともぼーの連帯保証人となるべく、この部屋にきた訳である。

トイチについては、とりあえず理解した。

利息が、10日で1割。

だから、トイチ。


300万円に対して、10日で30万円。

恐ろしい数字だが、それよりもさらに恐ろしいことは、

このときの私がその数字に対しての恐れが無くなっていた事だ。

すっかり、ともぼーを信じきって安心し、金額に対して他人事になってしまっていた。



のん のん


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