●更新日 06/02●
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『ギャンブル依存 〜勝つための法則〜』前篇





精神科医、ヤブです。
先日やってきたパチンコ依存症の若者はなかなかに凄かった。


一人暮らしをしていた2年程前からパチンコにはまり、1年間で150万円近くの借金を作ってしまった。それを両親に払ってもらい、もうパチンコはしないと誓ったはずなのに、それからの1年間でさらに100万円ほどの借金をしてしまった。当然これも両親が負担。
これはだめだと実家に連れ戻された彼は、地元で就職はしたものの、パチンコ行きたさに仕事をサボるようになってしまった。

パチンコ

それでとうとう精神科に連れてこられたのだ。そんな彼は自分がしていることをまったく悪いとは思っておらず、自分がパチンコをするのは仕方がないのだと言う。

彼がパチンコをする理由は……、


「実家にいるとストレスがたまるから」


「アルコール依存って知ってるでしょ?」


「知ってますよ」


「あれと同じで、自分に害があると思っているのにやめられないのを依存って言うんだ」


「実家で生活するストレス発散のためです」


「一人暮らしのときもパチンコで借金したんでしょ?」


「でも、あの時と今とは違ってて」


「どう違うの?」


「今は、借金してないし」


それから1ヶ月も経たないうちに彼の両親から電話で相談を受けて驚いたのは、なんと彼は少し前に10台近くのスマホをあちこちで契約して、その機種本体をすぐさま質屋で換金していたのだ!

契約時に無料で手に入れたものを質屋に持ち込み、合計2万円程度の金を手に入れてパチンコを楽しみ、1ヶ月後には実家にスマホ10台分の通信料がご到着というわけだ。

あまりにもアホすぎるが、これこそが「依存」の実態なのだ。
後々の苦痛より今の快楽を最優先にしてしまう。このパチンコ依存の彼と、覚せい剤依存のASKAは、バカバカしいほどに同類なのだ。

そんなパチンコ依存症の診察は1回きりで、最後の最後まで自分が依存症であることを認めようとはしなかった。


つづく


ヤブ ヤブ


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