●更新日 09/17●


僕が探偵になった理由(後編)


〜前回〜


度重なる盗難事件。過度の介護で施設長ともめる女性職員の佐藤さん。
とっさに隠れてしまったものの、口論のあと佐藤さんがこちらに向かってきた!


(やばい!!)

僕はとっさに更衣室の影に隠れた。
佐藤さんは更衣室に入った途端、真っ先に施設長のロッカーへ向かう。

(なにをするんだろう)

そう思った瞬間、佐藤さんは施設長の私服のシャツをカッターでスパッと切ったのだ!



僕は驚き、その光景をしばらく見ていた。
佐藤さんが更衣室を出ると、すぐさま僕は施設長のもとにかけこみ一部始終を報告した。

(今回の佐藤さんの行動は許せない)

その日から僕は佐藤さんをマークした。
佐藤さんがまた施設長に対して何かをするかもしれない、そう思ったからだ。

それから2日後。
昼食の時間になり、食堂に全員が集まるはずなのに佐藤さんの姿がない。



気になった僕は佐藤さんを探した。
まさかと思い、入居者の部屋をのぞくと、なんと佐藤さんが他の人の鞄をあさっていたのだ。
僕は足音を殺してその場を離れ、すぐに施設長をその現場に連れてきた。

佐藤さんの窃盗現場を目撃した施設長は、その場で佐藤さんを問い詰めた。

ここ数ヶ月の盗難事件の犯人は佐藤さんだったのだ。その後佐藤さんは他の施設へ移動。
あとから聞いた話では、佐藤さんは前の施設でも盗難や上司への嫌がらせ、口論が絶えなかったそうだ。



この事件のあと、施設長から「君は名探偵だよ!ありがとう!」と感謝された。
探偵の仕事に興味を持ち始めたのはこのときからだった。

そして今僕は一人前の探偵になった。
この窃盗事件が起きなければ、僕は探偵にはなっていなかったのかもしれない。



週間身長45



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