●更新日 10/15●


バウンティハンターの特権


荒木です。




探偵と違い、バウンティハンターの場合は“手段を選ばず”が許されている。

それに甘んじた過剰行為のハンターたちは最大のミスを犯す。
マインドシュミレーションが正常に行われないからである。
獲物違い殺人などがその大半を占める。

それを回避するために、我々の仕事は常日頃から緊張感を持って挑むべきだと私は考えている。


今回の賞金首、ジョン・ベックマンは25歳の酒屋店員。
レジの金を少しずつくすねていたが、ついに店主に見つかり逮捕された。
彼のガールフレンドであるミッシェル(22歳)がベイルボンズの保釈保証申請をおこない、公判まで自由の身となったが仲良くふたりでジャンプ(逃亡)してしまったわけだ。


賞金首の額は二千ドルだからお手頃な獲物と云えよう。

初動捜査を開始した私は、ジョンの実家の周辺で聞き込みをしてまわった。


聞き込みは基本中の基本


だが、暫くの間はジョンの姿は目撃されていないことがわかった。私はジョンが実家と連絡を取っているのではと考え、実家に忍び込んで電話器に盗聴機を仕掛けて時を待った。





ハンターであれば家宅侵入罪には問われることはない。


早速、二日目の朝に動きがあった。
ジョンの母親が息子の潜伏先に電話を掛けたのだ!
プッシュ音を解読してみると、ロス郊外のモーテルであることが判明。


すぐさま私は現地へと車を走らせた。



つづく



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