●更新日 09/06●


これぞ生き地獄、男女の修羅場ここにあり。


「その対象者(男性)はラブホテルの管理人であり、浮気の現場は自分のホテルである。」





これは、多少でも探偵術の心得がある者が聞いたら、
「う〜ん」と唸りながら腕組みしてしまいそうなシチュエーションである。

浮気調査の場合「対象者がラブホテルに入る」という状況は、
普通、探偵側の調査成功を意味する。
「ラブホテルに入る」のは「共に入る女性との肉体関係」を意味するからだ。
すなわち「不貞行為の証明」となり得る。





しかしこの対象者の場合、
「ラブホテルに入っただろう!?」と問い詰められても
「職場なんだから当たり前だ!」といわれておしまいになってしまう。
なんの変哲も無い日常へと置き換えられてしまうのだ。
仮にそこに女性が訪ねてきたとしても、
「職場に女友達が遊びに来た」という程度の意味になってしまうのである。

ただ幸運だったのは、その対象者が婿養子だったことだ。
そして、対象者の勤務するラブホテルのオーナーは、
依頼者である奥さんのお父さんだった。

ラブホテル側が探偵を全面的にバックアップしてくれるのだ。
これほど心強いことはない。

とはいえ、ホテル内の対象者の行動を簡単に把握できるものではない。
調査員達は、コツコツと調査をはじめる。

行動調査で、対象者の動きをつぶさに観察。
そのホテルに一人で訪れる女性をチェックしつづけ、浮気相手を特定。
その女性の行動や訪問時刻を統計し逢引の時間帯を限定。
女性調査員も動員して、ホテル内の様子を可能な限り観察。
いつも浮気に使う、対象者の「お気に入りの部屋」も特定。

地道な調査を続け、にじり寄るかのように情報を収集していった。
そうして、十分に準備を整えたある日。
ある作戦を決行することになる。

本来であれば、ここまでするのはどうかと思うし、
決してやりたくてやったわけではない。
しかし、ラブホテルを職場とし、
「浮気などしていない!」とシラを切り続ける対象者から
確実な証拠を得るためには、これしかなかったのだ。

対象者が浮気相手とホテルの一室に入った後、
オーナーからカギを預かった調査員は、
タイミングを見計らって、その部屋に踏み込んだのだ。
一緒に部屋に入るのは、依頼者の奥さんとその父と母。それから対象者の身内が一名。

調査員2名を含む総勢7人が、どやどやと部屋に入り込んだとき、
対象者と愛人は、まさに行為の真っ最中だった。


まっさいちゅう。


キレて、泣き叫ぶ依頼者
全裸で逆ギレする対象者
悲鳴をあげる愛人
怒号を上げる父
わめき散らす母
おろおろする対象者の身内。





ホテルの一室は阿鼻叫喚の地獄絵図となった。



不倫始末隊 ケンジ



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