●更新日 07/01●


致命的な失敗 調査員の日記


これは、先日実施した浮気調査中の致命的な失敗談です。

対象者は、地方に単身赴任の男性。調査開始直後に勤務先を出て、15分程歩いた後、路上に停車していた女性の車両に乗り込みました。
ちょっと嫌なパターンですがこちらも何とか対処し車両尾行開始となりました。ところが人も車も灯りもない田舎道を延々と走られ間もなく失尾・・・。
私達は散々探し回り、失尾から数時間後ようやく見つけることができました。
ふたりが乗っていた車両は、人里離れた林の中に立てられた立派なラブホテルの駐車場にあったのです!

車両はホテルの出口のすぐ脇に駐車されていました。もちろん車内に二人の姿はありません。しかし、このラブホテルに入ったことは間違いないと思われます。
見渡す限り周囲は畑や林ばかりで、半径1km以内に他の宿泊施設や飲食店はないどころか、民家すら見当りません。なのでここにいるはずです。

すでに『失尾』という失態をおかしてしまった私達は「何があっても挽回せねば!!」という意気込みで、ホテルの駐車場内での張り込みを開始しました。
二人のホテルから『出』を完璧に撮影できるように、出口のまん前に調査車輌をとめてカメラをセットし、粘り体制に入りました。

粘ること15時間。
日中は気温が上がり車内は蒸し風呂のよう。
それにしてもホテルのチェックアウト時間も過ぎ、他の宿泊客はどんどん帰って行くのに対象者達は一向に出てきません。
おかしい?おかしい?と思いつつ、ホテルにいる可能性が高いことから「諦めるな!」とお互い言い聞かせて体制を維持しました。

そして、ホテルの出口を凝視していた私達の目の前に対象者達2人の姿がうつったのです。なんと出口から現れたのではなく、カメラの前を左から右へ横切ったのです!
これがその時の映像です。

写真 映像1
ホテルの出口

写真 映像2
目の前を横切るふたり

写真 映像3

一瞬、何が起こったか解りませんでした。

そうこうしている間に、二人はこの出口のすぐ脇に停めてあった車輌に乗り込みホテルを後にしました。

さて、ここで白状します。

実はこのホテル、『ホテル○○1』『ホテル○○2』と、同じ敷地内で2棟の建物から成っていました。しかし、この二つの建物の距離は結構離れていて、それぞれ出入り口も駐車場もまったく別々になっているのです。

対象者が車を止めた位置からして、二人がもう一つの離れている建物に入ったとは考えにくいと判断し、こちら側の建物の出口のみの張り込みをしました。

ですが、この状況から考えると、こちらの駐車場に停めて、あちら側のホテルに入り、延長をして今出てきた、と言うことになります。

今回、私達は一つの可能性を完全に無視してしまいました。

浮気調査で一番必要なことは、不貞の証拠を押さえることです。

今回の場合、失尾によりホテルに入るところを押さえられなかったので、二人がホテルから出る瞬間の映像は絶対に欲しかったところです。

こういった浮気調査に限らず、この仕事をする以上、いつでもあらゆる状況を想定し、どんなに小さな可能性も無視せずカバーしなければならないと痛感しました。



総合探偵社ガルエージェンシー




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