平成15年度自衛隊記念日観艦式
〜 この海を駆ける 〜


もう11月となり、冬も近くなって参りました。夏が終ったと思ったら、あっという間ですね。今まで、とお送りして来た自衛隊シリーズですが、残すところは海のみ!
と言う事で、今回は大変遅くなりましたが、横須賀で行われました観艦式の様子をご報告したいと思います。



観艦式の起源は、1341年、英仏戦争の時、英国王エドワード3世が自ら艦隊を率いて出撃する際に、その威容を観閲した事に始まると言われ、我が国では、明治元年天皇陛下をお迎えし、大阪・天保山沖で実施された観兵式が観艦式の始まりであり、当時は6隻のみだったそうです。自衛隊としては、昭和31年に「自衛隊記念日」として制定され、翌32年に自衛隊記念日行事の一環となり、今に至るそうです。
では、今回の観艦式のスケジュールを。
「横須賀港・抜錨・出港」→「艦艇の観閲」→「航空機の観閲」→「祝砲発射、対潜ロケット弾発射」→「ヘリコプター発艦」→「潜水艦の潜航・浮上」→「洋上補給・甲板散水・IRフレアー発射」→「ミサイル艇高速航行」→「LCAC高速航行」→「US−1A離着水」→「P−3C対潜爆弾投下」→「IRフレアー発射」
となって、おります。
では、スケジュール通りにお話を進めて行きますね。
まず、私が乗る事になった船は、イージス艦「きりしま」。


   ▲イージス艦「きりしま」

観閲部隊の中では、先頭を進む護衛艦「むらさめ」、観閲艦であり、小泉首相が乗る護衛艦「しらね」の次に進む3番手です。首相と同じ船に乗れないのは残念でしたが、これでもかなり良い位置である事は確かです。それでは、きりしまを紹介します。


    ▲護衛艦「しらね」主砲             ▲きりしまレーダー

左の画像が、護衛艦「しらね」の主砲ですね。正確には、「127mm速射砲」。画像で見るより、ずっと大きなモノですよ!かっこいいと思うと同時に、こんなモノで撃ち合ったら怖いなぁと感じてしまいました。
右の画像が、イージス艦であるきりしまの頭脳と言えるレーダー。イージス艦には、このような形のレーダーが、右前方・左前方・右後方・左後方の4ヵ所に備わっています。これが、“イージス・システム”の要になるのです。イージス・システムとは、従来の防空システムでは対処出来ないような、多数の飛行機・ミサイルの同時攻撃に対処する為に生み出された自動対空戦闘システムの事です。要するに、イージス艦は、対空関係が非常に強いという訳ですね。今の時代、戦艦の巨砲主義はとうに費えています。「なるほど…」と頷けました。
ちなみに、「イージス」とは、ギリシャ神話が元。ゼウスが娘のアテナイに送った盾の名前であります。ゲームなどでも、「イージスの盾」などが出て来ますね。あと、こちらの力はそのままでも、相手を無力化させれば勝てると言う「イージス理論」などにも使われております。


   ▲きりしまファランクス           ▲きりしま艦橋

左の画像は、対空砲であるファランクス。バルカン砲です。正確には、「高性能20mm機関砲」。ミサイルなどを撃ち落す為に使用されます。上の白い部分はレーダー。砲の下のドラム型のが、カートリッジ式の弾丸マガジンになっています。
右の画像は、きりしまの艦橋。要するに、1番大事な頭の部分。艦長も此処に居るのでしょうか?思わず、「第三艦橋…」と呟いてしまいます(笑)
横須賀を出港し、きりしまは外洋に向かいます。とても晴れた日で、風も心地よく、思っていたよりも揺れる事も無かったので、安心して取材出来ると思っていました。…この時はそう思っていたのです…。



暫くすると、観閲艦…ようするに主賓が乗る船の「しらね」が追い越して行きました。この船には小泉首相が乗っているはず!懸命にカメラを回しますが、確認は出来ませんでした。残念。皆さんには、この画像から小泉さんを見つけられますか?
さて、いよいよ、観艦式の本番です!

艦艇の観閲


主賓やお客様、プレスが乗るのが、観る中心の“観閲部隊”に対して、観られる中心なのが、“受閲部隊”と言います。画像は、観閲部隊にズンズン接近してくる受閲部隊の艦隊。
先頭を走るのは、受閲部隊旗艦「たちかぜ」。

航空機の観閲


海と言っても、航空機は必須です。そういう理由で、海の上でも活躍する飛行機を。
これは凄いスピードで、飛び去って行った「F−15J」。

ヘリコプター発艦


護衛艦にはそれぞれ艦載機のヘリが在ります。「SH−60」と言う型のこのヘリは、有事の際に航行する船の上から飛び立ち、現場に向かうのです。

潜水艦の潜航・浮上


そして、海の覇者とも言える潜水艦の登場です。ゆっくりと優雅に進行していると思ったら、急速潜航に、急速浮上!特に浮上するシーンなどは、映画や漫画でしか観た事が無かったので、大迫力でした。“ザバァ!!”と音を立てて艦首が飛び出してくるのは本当に凄かったです。(まるで、名作『沈黙の艦隊』みたいだ!)、(アップトリムいっぱい!!)と心で叫んでいました(笑)。

P−3C対潜爆弾投下

画像では残念ながらご紹介出来ませんが、「P−3C」と言うかなり大きい飛行機から、対潜水艦用の爆弾が投下されました。その爆弾の威力たるや…


ドォーーーーーーーーーーーン!!!

凄い迫力でしたよ!
この場合は着水と同時に爆発するように、爆発深度を取っていたようですが、この勢いなら、深海の潜水艦にもダメージを与えられるな…と感心してしまいました。私はあまり詳しくないのですが、潜水艦とか、海上戦などが好きな方には、本当に堪らないものなのでしょうね!

IRフレアー発射


「SH−60J」という機種のヘリが、無数の“フレア”を出して行きます。フレアとは、赤外線誘導ミサイルの回避に使われるものですね。戦闘機通しのドッグファイトなどにも使われます。この場合は、敵からのミサイル攻撃から、僚艦を護る為にフレアを撃っている訳ですね。



以上となります。本当に簡単に紹介しましたが、如何だったでしょうか?この臨場感をお伝えしたい!少しでも、雰囲気を感じて下さると嬉しいです。
この記事のこぼれ話を1つ。記事の中で、“そんなに揺れない”と書きましたがね、これが外洋に乗ると、全然違う訳なのですよ。その揺れも、車とは全く違うゆっくりとした身体全体で感じるグアングワンした揺れなのですよ。私、以前に弱点を公表しましたが、訂正です。“乗り物全般に非常に弱い”です。もう大変でした…(うっぷ)。この記事を書いている時も、思い出し船酔いで、気持ち悪くなってしまいました。うう、本当に、乗り物に弱い私(泣)。
そんな中でも必死に撮ってきた画像なのです。楽しんで頂けると本当に嬉しいですね。

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おまけ



マスコットキャラの「ピクルス」くんと、「パセリ」さんがお見送り。“中の人”も大変そうでした。





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