●更新日 11/17●


グリーンピース代表に傷害、恐喝未遂で逮捕の過去


有名環境保護団体「グリーンピース」が「我々はテロリストではない」という抗議運動を大々的に展開し、各方面で話題になっている。

2007年11月16日の日刊スポーツによると、この抗議運動のきっかけは、水産庁職員が海外メディアからの取材の中で、同団体を「テロリスト」と呼んだことだった。グリーンピース・ジャパンは同日、当該の発言は名誉棄損に当たるとの理由で、人権救済を日弁連に申し立てたという。日弁連は若林正俊農林水産相に対し、謝罪と訂正を勧告することを要求した。

写真

上記の水産庁職員とは、水産庁遠洋課の男性課長補佐を務める人物。問題の発言は、オーストラリアの公共放送ABCのインタビューやスイスのテレビ局、ニューズウィーク日本版に対してなされたとのこと。記事によると、「政府の方針と異なる行為をする市民団体にテロリズムのレッテルを張り、社会的信用を低下させることは表現の自由の否定」とグリーンピースはコメントしている。

問題は何をもって「テロリズム」と呼ぶかということだが、グリーンピースやその関係者の日頃の活動が、これまで度々警戒されてきたことは事実だ。実際、グリーンピースの一連の活動は、警察の監視対象にもなっている。例えば、平成13年度の警察白書では、グリーンピースが危険団体であることが名指しで記されている。

写真 ※クリックで拡大

更に、2005年には、傷害及び恐喝未遂の容疑で関係者が逮捕されるという事件まで発生している。今回の抗議運動に関する記事でも名前が出ている、グリーンピース・ジャパン代表のアイリーン・美緒子・スミス氏によるこの事件は、氏が同じく代表を務めてきた「グリーン・アクション」という団体のHPに同団体の見解が記されている。

写真

そこから一部抜粋してみよう。「6年前にスミスの家族が被害にあった複数犯による刑事事件がありました。若い加害者らの立場も考慮し示談によって決着したものの、スミス家族はその後も事件のトラウマに悩まされ続けました。悩み抜いた末、カウンセラーの勧めもあり、再び加害者らと対面し、直接話し合うことを通じてそれを乗り越えようとしたのでした。傷害の容疑というのは、対面の場において感情的になり、思わず手が出てしまったことです。また、恐喝未遂の容疑とは後遺症に対する補償を求めたことが曲解されたものでした。」

「感情的になり、思わず手が出てしまった」片付けてしまうところが恐ろしい。当時の報道では、8月2日付で次のように記されている。「会社員の顔をたたくなどしてけがをさせ、6年前の事件の心理的な傷の治療費として約100万円を脅し取ろうとした疑い」。日頃は「民主主義的な成熟した討議」を掲げるはずの市民団体関係者が、こんなことでよいのかと思わずにはいられない。

グリーンピースの知名度は高いが、どこまで人々の信頼を得られているだろうか。人々が彼らを「環境テロ」と呼ぶ時、それは彼らの行為に対する形容だけでなく、彼らが自分たちの掲げる理念や正義の妥当性を疑わない姿勢をとり続けていることに対する揶揄も含まれているように思える。



探偵ファイル



◇上記のタグを自分のサイトに張ってリンクしよう!


探偵ファイルのトップへ戻る

前の記事
今月のインデックス
次の記事