●更新日 11/03●


製造日偽装?冷凍クリスマスケーキは大丈夫?


赤福をはじめ、「製造日偽装」問題が連日発覚している。そうした中で、冷凍のクリスマスケーキはこの問題に該当する可能性はないのかという疑問を持つ人が少なくないようだ。

この点について、東京新聞が10月31日に興味深い記事を出している。webでは読めない記事なので、概略を紹介しよう。記事には、クリスマスケーキを大量に作り置きして冷凍保存している業者を代表して、山崎製パンへのインタビュー内容も記されている。山崎製パンの場合、今年のクリスマスケーキの製造開始は12月1日からで、250万個出荷予定とのこと。完成品を解凍した日から数えて二日後に設定する「デイプラス2」が消費期限になるという。

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この点について、山崎製パンの広報担当者の回答を抜粋しよう。「法的に定められた基準で対応しており、赤福さんのケースとは違う」、「できれば作ったものをそのまま出荷したいが、数量的に一度に作りきれない。全部の商品を冷凍しているわけでもない」、「『デイプラス2』は研究所で品質上問題ないことを確認し、余裕を持たせて設定した。冷凍技術自体は、冷凍ケーキの市場もあるように、それほど珍しいものではないんです」

赤福の場合は、「消費期限」だけでなく「製造日」も記し、「作ったその日のうちに味わっていただくことが創業以来の基本理念」としていたところ、それが嘘だと発覚したという点が問題になった。以前は製造日、解凍日、消費期限の全てを記す必要があったが、現状では製造日は不要となっている。記事によると、「これは「輸入品の競争力をそぐ」という米国の圧力で1995年に食品衛生法施行規則などが改正され、「製造日」が期限表示に変わったからだ」とのこと。

この点について、日本消費者連盟の水原弘子事務局長は、記事中で次のように述べている。「クリスマスケーキには2、3ヶ月前から作られるものもあるが、消費者はほとんど知らない。衛生上問題なくても、その日作ったものではなく、消費者にうそをついていることになる」、「製造日表示があれば、消費者が自分で判断する手がかりになるが、消費期限では分からない。冷凍技術が進む中で、表示制度がちぐはぐになっており、製造日表示を復活させなければならない」

このような意見の食い違いを、どう考えたらいいのか。特に我々消費者としては、日本消費者連盟の見解を支持すべきなのか、気になるところだ。そこで、探偵ファイルではリスクマネージメントの研究者にコメントを求めた。

「製造日表示があった方がいいという見解は分かるとしても、『消費者に嘘をついている』という主張は支持できませんね。クリスマスケーキが冷凍保存されていることを消費者が知らないということ、そのことが商品やその広告に記載されていないことは当然、虚偽には等しくありませんから。ここにあるのは、生産者と消費者の間にある情報の格差の問題です。少ない情報しかない場合、当人が認知し得るリスクの程度も必然的に少なくなります。その結果、消費者が商品の選択に関して検討の余地が限られてしまうという問題は、確かにあるでしょう。生産者が商品の安全を確保するだけでは消費者は安心しない、そういう時代になっているのだと思います。」

冷凍クリスマスケーキについては、web上でも様々な噂が流れていて、消費者としては気になるものもいくつかある。

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意識的無意識的にしろ日々、冷凍食品・食材を口にしている我々が言うのもなんだが、これからの季節、ケーキを人々が安心して購入できるよう、企業には十分な安全管理と、それに関する情報の徹底した公開をお願いしたい。



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