●更新日 10/07●


2ch カキコも告白、麻生太郎がネットを擁護する理由


ネット上では「ローゼン閣下」などと呼ばれて人気も高い麻生太郎氏。そんな麻生氏が、自分も2ちゃんねるに書き込んでいるとテレビ番組のインタビューの中で発言し、大反響となった。

その番組とは、2007年10月6日に放映された、フジテレビ系の「ハッケン!」。2ちゃんねるはチェックしていますかと尋ねられると、「ものすごい数ですから、とても・・・そういったのに書いたりすることは時々やったりすることはありますよ」と発言。「書くってどういうことですか」と聞き返されると、「2ちゃんねるに」と再度強調した。そして、「あれはなかなかいいところを突いていますよ。なまじ新聞記事よりよっぽどいいところを突いていますよ、あれは」と述べた。

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これに対して、ネット上では賛否両論だが、麻生氏が2ちゃんねるをはじめネットに対して肯定的な態度をとっている理由については、単なる迎合だけではないのではないかという見方もあるようだ。「麻生氏は、自身もマスコミ報道で苦しい立場に追い込まれた時に、ネットを利用することで危機を打開しようとした経験があるからではないか」と分析するジャーナリストもいる。

話は2006年8月に遡る。麻生氏のHPの同年8月4日の日記から引用しよう。「本日の東京新聞朝刊に「麻生氏、参拝せぬ意向」、読売新聞夕刊に「麻生氏は参拝自粛」という記事が、また時事通信でも「首相就任時、靖国参拝せず」といった配信記事がありました。昨日は、日本テレビのニュース専門番組でも同じような趣旨のニュースがありました。これらは事実に反するものです。各社に対しては当方の事務所より、抗議し、その訂正を申し入れました。事実に基づかない、このような記事が掲載されたことは、大変遺憾に思っています。」

東京新聞は、「靖国参拝について「個人の信条と、公の立場を踏まえて適切に判断する」との表現で、参拝自粛を表明する。」、「麻生氏側近の浅野勝人参院議員は本紙の取材に、麻生氏が参拝自粛を打ち出すことについて「個人の思いと公の利益がぶつかった場合、国益を優先すると判断してのことだ」と述べた。」と記した。翌日の東京新聞には、麻生氏への言及はほとんど見られなかった。社説「危険なゲームはだめだ」では、「麻生太郎氏も現実的な姿勢をにじませる」の一言のみ。「「ポスト小泉」の靖国神社をめぐる発言と距離感」と題された囲み記事では、麻生氏の似顔絵と共に「個人の信条と公の立場を踏まえて適切に判断する」という氏の言葉が引用されているだけで、前日に大々的に報道した参拝自粛についての言及は皆無だった。

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同じく、読売新聞と時事通信にも訂正らしきものは見られなかった。読売新聞の記述は「安倍氏の独走状態が強まる中、麻生氏は事実上、参拝を自粛する見解」というもので、時事通信は「自らが首相に就任した場合は参拝しない意向を打ち出す」と記した。また、日本テレビもこの件について、訂正を行っている様子はなかった。

上に引用した麻生氏の記述がどこまで本当だったのかはともかく、この日記がネット上で反響を呼び、一連の報道内容に対抗する有力な言説として機能したことは事実だ。そのような経緯があって、ネットに対する肯定的な発言が、ますます多くなっているのではないかという。

ちなみに2ちゃんねるでは、「「麻生太郎」首相を実現しよう@議員板」というスレッドに、「太郎」と名乗る書き込みが何回もあったことが確認されている。もし麻生氏が本当に書き込んでいるとしたら、これはネタではなく本人によるものだったのだろうか。

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高橋



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