●更新日 07/08●


働く人の憂鬱シリーズ〜エロ雑誌編集者の憂鬱〜


健全に育った男子であれば、血まなこになってむさぼり読んだ経験もあるであろうアダルトグラビア誌。

AVやアダルトサイトの普及した昨今、切実な需要は失われたとはいえ、「やっぱり写真じゃないと」なんて人も多いのでは?

そんな、男子の夢が詰まったエロ本の編集者に話を聞いてきました。




――どうしてアダルト誌の編集部に入ろうと思ったんですか?
異業界からの転職なんですが、中途採用の募集要項に“経験不問”とあって、待遇も悪くなかったので。


――特にエロにこだわりがあったわけではなく?
ええ。とにかく雑誌編集の仕事に就きたくて「エロかぁ……ま、いっか」ぐらいのモチベーションで応募して、採用されました。
わりとそんな人の多い業界だと思います。


――カルチャーショックを受けたりしませんでしたか?.
入社当初はショックの連続でしたね。
あくまでも自分の入ったのは“出版業界”であって“エロ業界”だとは思ってませんでしたから。
でも働いてみたら、当然ながら仕事内容はエロい企画を考えてエロい撮影をしてエロい文章を付けることで……。
しかも、編集者が男優としてカラミに出演してるなんて思っても見ませんでした。


――え? 本職の男優が出てるんじゃないんですか?
うちの会社では、ほぼ全て編集者が男優をしています。
どうせ誌面では体全体にモザイクが入りますし、「何万もギャラを払ってプロを起用する意味があまり無い」という考え方です。


――すんなり出演に納得されたんですか?
「郷に入っては郷に従え」ということわざもありますので覚悟は決めたんですが、付録DVDの動画出演はキツかったですね。
内心かなり落ち込んでいるうちに撮影当日を迎え、手錠と目隠しをされてマグロ状態で痴女に犯されるという企画でデビューさせられました。

当時、結婚を考えている彼女だっていたのに、人権も何もあったもんじゃない話でしょ?
司法に訴えれば上司はけっこう重い罪に問われるんじゃないですかね。
もっとも、のちのち自分も後輩を同じ目に合わせたから文句は言えませんが(笑)


――凄まじい職場ですね。それが嫌で辞めてしまう人もいるんじゃないですか?
ハッキリとは聞かないですが、半数以上が入社半年もせず退職する事実と無縁ではないでしょう。
撮影日を乗り越えても、翌日からは自分が出演している無修正状態の写真や動画を素材に編集作業をするのが仕事ですから、イヤイヤやってたら気がおかしくなるくらい辛いハズです。

逆に言えば、長続きしてる編集者は、そこを乗り越えた人ばかり。私も今ではそういうことに抵抗を感じなくなり、楽しんで仕事しています。
なんだかんだ言っても、エロに関して特別な経験を得られるのは面白いことですから。



なんとも過激な世界のお話でした。
出版大不況のこのご時勢、アダルト誌業界も深刻な部数減に悩まされているそうです。
ここはどうにか元気を取り戻し、世の男子にも活力を分け与えていただきたいものです!



円城寺



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