●更新日 03/28●


怪しい精神世界と大麻解放運動の関係


自己啓発セミナーの類に誘われて参加したら、いつの間にか大麻解放運動に巻き込まれていたということがあるようだ。

友人に誘われて、Aさんはある集会に参加した。「2012年に人類は大きな転機を迎える。次元が大きく変わるので、普通の人間では対処できず滅びる。生き残れるよう、その日に向けて次元を上昇させよう」と言われ、怪しい音楽が流れる空間でセミナーを受けることになった。

まず、大量の紙風船を参加者全員で投げる。続いて畳の上に寝かされ、唐辛子入りと説明されたカプセルを飲まされた。それを噛み砕くように言われ、指示通りに行なうと、怪しげなベルを耳元で鳴らされた。そして、ペンライトの光を目に当てられた。これでAさんの次元は上昇したのだそうだ。




主催者側の人間や参加者らは、大麻解放運動に加担している模様だ。彼らはmixiで薬物関連のコミュに参加し、天皇を批判したり「自分は選ばれた人間だ」という主張を繰り返したりしている。セミナーで受けた儀式の秘匿が参加者に義務づけられることもあるようで、独特の閉鎖的な空間及び人間関係が展開されているようだ。

Aさんにセミナー関連の資料の提供を求めたが、何も配布されなかったとのこと。そこで、大麻解放運動に関わるBさんに情報提供を依頼したところ、別の集会ではあるが関連資料を入手することができた。セミナー関係者が大麻を使用しているのではないかとAさんは心配している様子なので、この点についても尋ねてみた。



Bさん曰く、参加者個々人に関しては別として、少なくともセミナーのような公の場で大麻を使用することは考えにくいそうだ。Aさんが飲んだ唐辛子カプセルも、七味唐辛子や鳥の餌にも使われる麻の実を含むものだったのではないかという。また、大麻解放運動といっても多様で、精神世界に関わる怪しいセミナーを一切拒絶する人々も多いようだ。

コミュニケーション論を研究する社会学者によると、このようなセミナーは一般的に「ニューエイジ」と呼ばれるという。精神世界を共有しつつ、教団という組織は形成しないこと、個々人の内面性を重視することが特徴だ。内面性の重視、反権力といった大麻解放運動の側面は、ニューエイジやヒッピーなど、サブカルチャーとの親和性が高いという。

ちなみに、次元が上昇すれば老衰で死ぬことはないとAさんは説明されたそうだが、「順調に(?)老けてます」と苦笑している。



高橋



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