●更新日 12/07●


現役医療関係者が語る医薬品の「今」


先日の「正露丸に発がん性?知られざる市販薬の副作用」という記事に医療従事者の方々から多数のご意見を頂いた。

発端は医薬品の酸化マグネシウムによる死亡者の報道。医療関係者からすれば、今回のマスコミ報道は「何で?」という内容だというのだ。より危険な薬は無数にあり、酸化マグネシウムの年間使用量を考えると医薬品の副作用としてはレアケース。それに触れず死者が出たことを強調し、ただ不安を煽るだけの報道は服薬コンプライアンスを下げるとインターンの河井さん(仮名)は語る。
「無責任なマスコミの報道によって、患者が医薬品を使わないことを選択したら。副作用より、薬を使わないで病状の悪化のほうが有害なことが多いという事が無視されている。全ての医行為は副作用を来しうるものであり、医師はリスクよりも治療効果が勝ると判断して行っているということを、医療を受ける人々には理解して欲しい」

だが死者が出ているのもまた事実。しかも状況はよりシビアになっていく。コンビニで販売されることがほぼ確定しているスイッチOTC。これは医療用の成分で「副作用が少なく、安全性の高い成分」を市販薬にも配合したもの。だが薬剤師の東さん(仮名)は指摘する。
「スイッチOTCが何を持って「副作用が少なく、安全性の高い成分」としているのかは不明なんです。一般の方が危険な副作用の前兆症状に気付けるでしょうか?医療現場にいる者からしてみれば、とても危険な状態になりつつあります」

「薬を処方する医者をアクセルとするなら、薬剤師はブレーキです。薬の危険性に対する情報収集・考察は薬剤師にしかできない使命です」と東さんは話をしめくくった。
食、住まい、そして医療の安全。それらを崩壊させたのは一部のモラルのない下賎な輩。「当然なこと」が稀有になりつつある現代、それでも真に市民の幸福を考える職業人がわずかにでもいることに、大きな勇気を持ちたい。



山崎(旧ニノマ)



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