●更新日 08/11●


上手な下着の選び方(後編)


前回

そこはテナントで入っている下着屋だから、あたり一面女性下着だらけ。
しかも結構きわどい下着がズラズラ並んでる。
女性が一緒とはいえ、対象者はよくお店に入れたなと感心してしまう。
下着を手に取り真剣な眼差しで話しをしている二人に接近。
二人が手にとった下着を横目で見てみる。





思ったよりフツーのパンツ。







同じようなパンツを2枚とキレイ色のキャミソールを1枚購入。
「意外と普通なのね」と思いながら調査続行。
二人は居酒屋に入った。
その間に依頼者に連絡をすると、

「もぉいいです。二人で下着を買いにいくなんて決定ですよね。ホテルに入るところなんて見たくないので、そこで終わりにしてください」

証拠はあったほうが・・・と言いかけたが止めた。
依頼者が決めることだから。
しかしタイミングが悪かった。なぜ今日下着屋に行くんだよ。
彼女がもう一度頑張ろうと下着を購入したばかりなのに。

私達は二人をお店に残し、調査を終了した。

なんだかスッキリしない気持ちで自分のマンションに向かっていると、依頼者から電話がきた。
やっぱり調査を続けてなんて言われたらどうしよう!とドキドキしながら電話に出ると。

「さっき主人が買ってた下着ってどんな下着でした?」

そうだよね〜気になるよね〜旦那さんが女物の下着を買ったんだもんね〜
私は色と形を簡単に説明した。

「実は主人、今帰ってきたんです。時間的に考えるとホテルには行かなかったみたいで・・・。しかもその下着を私にって渡されたんです」
「へ?(゜Д゜) 」
「ちょっと私もよくわからないので、明日画像だけでも見せてもらえますか?」
そこで私は翌日彼女のマンションを訪ねた。

画像の確認をしてもらった。
すると彼女は旦那さんと一緒に下着屋に入った女性を指差し、
「あれ?春ちゃんだ!」
「春ちゃん?お知り合いですか?」
「私と主人がよく行ってたオカマバーの従業員なの」
「ってことは?」
「春ちゃんは元は男の子なの」



あらーヤダーそうだったの。しかし最近のニューハーフって近寄って見てもわからないものね。

1週間後、彼女から報告がきた。
実は旦那さんも奥さんに嫌われているんじゃないかと随分悩んだいたらしく、セックスレスぎみだったことも気にしていたようだった。そこでニューハーフの春ちゃんに相談して「下着でも買ってストレートに愛を表現しなさい」と言われたらしい(笑)
下着を買うってことがストレートなのかどうなのかわからないけど、それを真面目に受け止めて実行に移した旦那さんにもキュンとくるし、そうとは知らずに今まで買ったこともない派手めな下着で勝負をしようとしていた彼女にもキュンとする。
人を想う気持ちは、「不器用だろうと何であろうとイイもんだ」と思った出来事でした。


追伸 彼女が買った派手めな下着はなぜか私の家のタンスの肥やしになった。
   (旦那さまはフツーの下着が好きだったから)



すもも



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