●更新日 09/15●


不良ポスティング業者に告ぐ


あらゆる商売には宣伝が必要だ。探偵社だって例外ではない。
いくら「私は探偵」と名乗ったところで、多くの人に知られなければ依頼者は来ず、依頼者が来なければ職業として成り立たない。

宣伝の方法にもいろいろある。TVCMや新聞の折込広告、電話帳、HP……
なかでも私たちはチラシ、ポスティングによる宣伝に力を入れている。
今回はそんなポスティングにまつわる話。

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3年ほど前のこと。私は八潮市のある政治団体にポスティングの依頼を受けた。
なぜ“探偵”社に“ポスティング”の依頼なのか?
聞けばその団体は地域へ自分達の冊子を配るため、信用できるポスティング業者を探していたとのこと。そこで、どの家にも洩れなく配られている私たちのチラシを目にとめ「ここが使っている業者に頼めば……」と考えたのだった。

しかし、私たちは業者に頼まず、自社のスタッフでポスティングを行っていた。
そこで「それならば、私たちの冊子も共に配ってほしい」という話になったのだった。

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探偵・調査の仕事とは違うが、嬉しいビジネスチャンスには違いない。
私はポスティング専門の屋号をつくり、人を雇い入れて取引を開始した。
取引は順調に進み、スタッフも増え、ポスティング部門は着々と大きくなっていった。

約半年後。
その時期、依頼主の政治団体は選挙に向けて活動をはじめていた。
当然、私たちへの配布依頼も激増することになり、到底、自社スタッフだけで対応できる数ではなくなってしまった。
仕方なく私たちは依頼主の了解を得て、外注のポスティング業者に依頼することにする。

そして、数週間後。突然、私は依頼主の政治団体に呼び出された。
事務所へ出向いた私は、そこでこの写真を突きつけられることになる。

写真 捨てられたチラシ。

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選挙戦の最中だったせいもあるだろう。気が立っている議員さんに私は散々どやされた。
そして最後に、今までの実績を重んじてくれる面々がとりなすように、しかし断定的にこう告げた。

『まあ、そちらのチラシも捨てられていたからね。おたくがやったことじゃないことはわかるよ。
しかし、大量に、回収しきれないほど捨てられていたんだ。残念だけど、この先の取引は……』


信用は失われた。ビジネスチャンスはパアになってしまった。
当然、ここ数週間分のポスティング代など請求できない。
ポスティング業者に抗議したものの、返金された額はごくわずか。
せっかく雇い入れたスタッフにも辞めてもらわざるえない。
金銭だけにとどまらない大損害だった。

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普通、ポスティング業者に頼む者は、そのチラシが配布されるものだと信じ、わざわざ確認などしないものだ。
それをいいことに預かったチラシを捨ててしまう不良業者も存在する。
おそらく、明るみに出ないまま捨てられてしまったチラシはものすごい数になるのだろう。

ただし、そういった不良業者が忘れていることがある。
私たちは探偵なのだ。
その気になれば、ポスティングの不正を暴くことなど造作も無い

不良ポスティング業者の連中は、楽しみにしておいてもらいたいものだ。
そう何度も手加減するほど、私たちは甘くないのだから。



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