●更新日 06/07●


嫌われる探偵


素行調査は1人ではなく2〜3人のチームで行うことが多い。
ターゲットの思わぬ行動に対処する為にはチームで調査することが有効であると言える。

チームに必要なものは信頼感。それがなければいざという時に連携が乱れ、失敗を招くこともある。

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しかし探偵Iは他の調査員から忌み嫌われる存在だった。


その理由は、


Iが参加すると調査が終わらない。


終わらないとは調査が長時間に及ぶことである。Iの探偵としての能力が足りないわけではない。どういうわけかIが参加する調査は高い確率で遠出になり、24時間以上終わらないことが多かった。

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ある日の調査のターゲットは東京から車で青森まで移動し、またある日の調査のターゲットはラブホテルに20時間以上滞在し、またまたある日の調査のターゲットは3日間自宅から一歩も出て来なかった 。そんな長時間に及ぶ調査が続き、いつしか「Iが参加すると調査が終わらない」と言われるようになっていた。
極めつけはターゲットがシンガポールに行ったこと。

しかしIがシンガポールに行くことはなかった。

何故か、


Iはパスポートを持ってない。


自分が参加する調査が遠出や長時間に及ぶことを身に染みて感じていたIの口癖は、

「パスポートだけは絶対に取りません」

だった。
…お前は探偵失格だ。

そんな探偵から嫌われるIだが、Iを大好きな人物がいた。

それは、


経理の山田さん(仮名)。


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調査が長引けば、調査料金が高額になる。
事務所が潤うのである。



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