●更新日 02/29●


美人FAの恋敵


依頼者はFA(フライトアテンダント)の実に綺麗な女性だった。
聞けば、最近、彼氏の様子がおかしいとのこと。

「頻繁に携帯電話をいじっていている。」
「いじりながらニヤニヤしている。」
「浮気しているのかもしれない。」
「もしそうなら、相手の女性を突きとめてほしい。」


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(こんな美人FAでも、浮気はされるものなのだろうか?)

ともあれそんなわけで、彼氏の浮気調査をすることになった。
彼氏は外資系企業に勤める会社員。勤務を終えた後の行動を調べることにする。

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夜8時。仕事を終えた彼氏が勤務先から出てきた。
依頼者の情報どおりニヤニヤ笑いながら携帯電話をいじっている。

写真 実に気色悪い。

携帯電話をいじりながら歩く彼氏の後をつけて行くと、
私達の横を通り抜けて、後ろから彼氏に向って凄い勢いで走っていく女性が一人。

女性は彼氏の腕にしがみつき、嬉しそうな笑顔。彼氏の方は少しあせった様子で、
「おいおい。ここでこれはまずいよ。」
と女性をいさめる。

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でも、顔は満面の笑み。

そんな2人は繁華街にある飲み屋へ入って行った。
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ここで依頼者に連絡すると、
「その女の身元をつきとめてください!」
「わかりました。店内での様子も調べますか?」
「当然です!」


そんなわけで、飲み屋の中へ入る。
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彼氏と女性は、他の男女数名と共にテーブルを囲んでいた。どうやら同僚との飲み会のようだ。店内で合流したらしい。
宴もたけなわのようで、飲み会は大いに盛り上がっている。
特に問題の女性のテンションが高い。ひときわ大きな声で笑い声をたてている。

そ知らぬ顔で監視を続け、飲み会も後半となった頃、女性の様子がなんだかおかしくなってきた。

顔をテーブルに押し当てたり、だるそうに頬杖を付いたり。

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(あたし、気分が悪いのよ〜。)
を同僚にアピールしている。
うそつけ。さっきまで一番元気だったじゃないか。なぜ急にそんな演技をはじめる?

飲み会が終了。店から出ると、女性の様子さらにだるそうになっていた。
彼氏は女性に心配そうに話しかけている。
女性を介抱する様子で同僚たちと別れ、タクシー乗り場の方へ歩き出す。

二人の乗ったタクシーはホテル街へ。
タクシーからおりた彼氏と女性は元気いっぱいでホテル街を歩き、腕を組んでラブホテルへ消えていった。
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女性の演技は「気分の悪くなった女性を彼氏が気遣ってタクシーで送ってあげる」として同僚を欺くための伏線だったらしい。なかなかしたたかなものだ。二人とも。


2時間後。ホテルから出た2人は駅まで歩いていき、駅のなかで手を振って別れた。
ここから女性の居住先をつきとめるべく尾行を開始。

電車に乗り、とある駅で降りた女性は、近くのコンビニに入っていく。
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見ていると女性は、コンビニの中で他の男性と合流。

なんだか良い雰囲気の2人は手を繋ぎながらコンビニを出て、そのままラブホテルへ・・・。

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(二人目かよ。二回目かよ。絶倫かよこの女!。)

結局、この女性の居住先が判明したのは、朝の9時頃だった。
一晩中ふりまわされた私達は疲労困憊。

ともあれどうにか、女性の身元はつきとめた。
依頼者のFAはこれをもとに、浮気相手とバトルをはじめるのだろう。
依頼者は美人だが、恋敵は絶倫だ。

(どっちが勝つのかなあ?)などと考えつつ、今回の調査を終了したのだった。



シマ



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