●更新日 07/04●
どうなりたいのか教えてください。
探偵学校には色々な方達が通われます。
2年前まで講師をしていたTさんのお話しです。
彼はとてもとても真面目な生徒でした。
座学でも尾行実習でもとても真面目で、講師としては大変教えがいのある男の子でした。
真面目だからこそこうなってしまったのでしょうか・・・
仮にK君としておきましょう。
探偵学校では毎回授業で尾行実習があります。
初回の尾行実習の前に尾行講義があり、そこで尾行たるものを教えます。
「多少の変装は必要な時もあります」
その一文を確かに私は言いました。
初日は無事に尾行実習が終了。
K君はまだ慣れないことに不安がありながらも、初めての尾行に興奮気味でした。
そこから少しずつ、彼の尾行術が出来てきたのです。
まずK君は2回目の授業の尾行実習にメガネを用意してきました。
上記でも書いたように、多少の変装は探偵には必要です。
私はK君に「なかなかいいね。そんな感じで変化をつけていこう」とアドバイスしました。
その日も無事に終了。
K君は私のアドバイスを受け、俄然やる気が出てきたようです。
その次の3回目の授業から、K君の暴走が始まりました。
次に用意したのは演劇で使うような口ひげ。
おされ
・・・悪くはないのです。
悪くはないのですが、そこまでやらなくても・・・というのが正直なところです。
私はK君に「ひげも悪くないけど、かえって目だってしまうから」とさりげなく止めたほうがいいとアドバイスをしました。
4回目。K君の小道具にがないことを祈りながら対象者役の私は学校を出ました。
すると右斜め45度、距離にして15m向こうに明らかに怪しい男がたっている。
・・・K君だった。
彼は真っ黒なサングラスをして壁に寄りかかり私を待っていた。
マ○リックスだぜ。
私の姿に気がついたのか、そ知らぬふりをして口笛なんぞ吹いている。
サングラスが悪いわけではない。
一番大事なのはその場の風景に溶け込むこと。
途中ホテルのロビーに立ち寄ったが、彼はホテル内でもサングラスをはずすことなくソファに座り、私を見つめている。(はず。真っ黒だからわかんないよ)
実習終了後レクチャーの時に私は彼に助言した「サングラスがいけないのではなく、その場にあった雰囲気をつくること」と。
そして迎えた5日目。
K君の奇怪な行動がないことを祈りつつ、張り込みをしている生徒たちを見ると、なんとその中に金髪の女性がいるではないか!!
生徒の中に女性はいるが金髪ではなかった。
おそるおそる近ずいてみると・・・
K君だった・・・
脱力・・・
研ナ○コに似てるよね
金髪・・・しかもロング・・・どうしたいんだよ!
尾行実習が終わり、私はK君に聞いてみた。
「最終的に君はどうなりたいんだい?」
「最終的に女装がしたいです」
「・・・・・・。」
カモ〜ン
なぜ、探偵学校に・・・
ガル探偵学校
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