●更新日 03/01●

生きる選択


中近東イラクの北西に位置する国シリア。イラク戦争の難民達が多く流れ込んでいる。難民の多くは戦争で夫や家族をなくした女性達。

シリアの首都ダマスカス。ナイトクラブの音楽が盛り上がる頃、難民女性達は町に溢れ出す。戦争から逃れてきた彼女達は生きていかなくてはならない。生きていく為には稼がなくてはならない。持ち出した宝石、貴重品など全て売りつくした彼女達の最後の品物。それは自身の体。クラブのウェイトレスが交渉人となり、客にイラク女性を与えている。

アラブ諸国は女性の節操を最も大切だと考えている。その節操を捨て、生きる為に体を売る女性達、いったいどれだけの精神的苦痛があるのか計り知れない。普通の仕事をすればよいと思うが、シリアで難民達は仕事に付く事は許されていない。

「絶望の中で生きている。でも一緒に連れてきた息子の為に稼がなくてはならない。イラクにいる親戚達が私のしている事を知れば私は殺されるでしょう。でも、彼らは私と息子を助けてはくれない。体を売るしか道は無い」
カメラに真っ直ぐ向かい、語った彼女の目は今まで見た事のないような悲しみの色をしていた。

若ければ若いほど女性の値段は高くなる。最近では10代の若いと言うよりは子供が多く売られている。
隣国だけでなく、世界中から若いイラク難民女性目当てに男達はシリアにやってくる。


MAYU    MAYU
家族を守る為に絶望の中に飛び込む     NYにある国際連合(UN)ビル。
難民女性達の苦しみはいつまで続くのか   UNにも難民女性の生活状況が報告されているが
(写真:BBCニュースより)        「止める事は出来ない」のだそう。



戦争の傷跡。あまり報道されない難民達の生活。
もちろん全ての難民女性が体を売っていると言う訳ではないし、戦争のおかげで起きた良い事もある。
ただ我々の今の生活状況が、多くの悲しみの上に成り立っている事を忘れてはならないと思う。



MAYU


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