●更新日 10/27●
“風俗街沈滞”に二次作用が発生
すでに報じた通り、関東有数の風俗店を有し一大歓楽ゾーンを形成していた西川口(埼玉県川口市)が消滅の危機に直面している。
客待ちの禁止にともない警察の取り締まりが強化されたのが原因だが、地域住民からの苦情も多かったと聞く。
風俗街にはこのシールが多数路面に貼り付けられている
風俗店前も閑散としている
街の浄化とばかりに、近隣の住民や駅の利用者は
「これで安心して歩ける」
と喜びの声しきりだが、その反面、風俗店以外でも経営面で頭を悩ませている店も少なくないという。
「風俗店を対象にビジネスをしていたところも打撃を受けています。生花店とか中華料理店とか。風俗の店がなくなると、それだけ顧客が減るわけですから(痛手は)大きいと思いますよ」(川口商工会)
開店・新装開店、お気に入りのコへのプレゼントでは花は欠かせないアイテム。
華やかな世界だけに蘭などの高価な花ほど人気があった。
ただし、それも送り先があってのこと。店自体がなくなってしまえば、需要がなくなるのは自然の流れである。
「プレゼント用の花が減りましたよ。あとウチは23時まで開けているせいか、ボーイさんやお客さんが“飛び込み”でお買い上げしてくれることもありましたが、ここ1〜2年はめっきり減りましたねぇ」(駅近辺の花屋店主)
水商売向けの贈答用は目に見えて減少しているという
中華料理店の痛手は主に出前の激減から。従業員や女のコが注文する品は店数が多いだけにバカにならない。
それが潰れた店が多いうえに、看板を出さずに「裏」で営業しているところも店先に空ドンブリを置いておくと警察に目を付けられるという理由で出前をひかえているというのだ。
ラーメン屋さんにも活気が感じられない
これでは個人商店はたまったものではない。
さらに数少ない客引きからの情報によれば、雑貨屋の売り上げも落ちているはずとのこと。
「ティッシュやウェットティッシュ、ボディソープ、シャンプーなんか大量に買ってたからね。ボーイが買いに行かされてた生理用品なんかもね」
「街自体に元気がなくなってきてるよ」と客引きのオニーサン
取り締まりの激化によって、首都圏では西川口ほどではないが、風俗店への風当たりが強くなってきているのも事実。特に埼玉県はその傾向が強いようである。西川口的なクリーン作戦を展開してくる地域も増えてくることだろう。
風俗店の激減は街のクリーン化には欠かせないのだろうが、それによって「連鎖倒産」する商店が増えてくると困るのは地元の住民だと思うのだが…
西川口の街を再び訪ねて、また考えさせられた。
こんなふうに開店前に買い物にいく“お店の人”の姿もいずれは見られなくなるのだろうか
デイブ高瀬
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