●更新日 05/27●

裁判傍聴レポ 〜“通貨偽造”


今回取り上げるのは通貨偽造


早い話が偽札を作ったという犯罪ですね。

大人数で組織的に行われることが多いんだけど、たまぁに違う場合もあるんです。

被告人は27歳の男性。2ヶ月前に仕事をやめ、休職中だったらしい。


で、事件の内容…。


被告人は、自宅のパソコンを使って、1万円札を両面プリントした偽札8枚を作成。

その8枚の中から、色が薄かった物や、表と裏でちょっとでもズレてしまった物を捨て、完成度の高い偽札を3枚完成させる。



偽札3枚を使い、ラブホテルに入ってデリヘルを呼ぼうと思い、JR鶯谷駅に降りるが、ホテル街を歩いていたところ、警察官に職務質問を受け、偽札がみつかり逮捕されたという事件です。



偽札をひとりで作ったこともすごいが、使う前に捕まるってのもすごい話だ。


裁判では、その問題の偽札が証拠品として提出されるわけです。

数メートル離れた傍聴席からは、本物同然に見える代物です。さすがによくできた3枚!


でもよく見ると、なんか違和感があるわけ。

「何が変なのかなあ」と、じっくり見てみると、なんと1万円札の表と裏が上下逆なんですよ。

選りすぐりの3枚がこんな有様なんだから、残りの5枚って一体…。
弁護人・検察官からの質問には、終始「すみませんでした」と反省している様子。


そんな被告人に対し、裁判官からの質問です。

裁判官「あなたは自宅で軽い気持ちで偽札を作ったかもしれませんが、通貨偽造と言うのは、最低でも懲役3年、最高で無期懲役が求刑される重い刑なんです。わかってますか?」

この裁判官の質問にビビったのか被告人は背筋を伸ばして、

被告人「日本経済の混乱を招いてしまい、申し訳ございませんでした!」

だとさ。



日本経済を狂わせるほどすごいもの作ってないしね。

大体、使ってないし。

もし、表と裏で天地さかさまの1万円札を手にしたら混乱はするだろうけど。

「一般常識の混乱を招きそうになってすみません!」って謝ったほうがよかったかな。

大げさに謝ると反省してないように感じるからね。


悪いことってのはできないもんだな、と思わせる裁判でした。




では、今回はこれにて閉廷!



阿曽山大噴火


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