●更新日 05/14●

まなみの日記 〜はじめての人捜し〜


こんにちは♪(*´∀`*)まなみデス☆


今回は、わたしが探偵になって初めて行なった“行方調査”にまつわるお話です。


依頼者は、墨田区在住のTさん(31)対象者は、Tさんの伯父にあたるOさん(66)
相談の席で、なぜ、家族の方々が捜さないのかと疑問に思い、Tさんに捜す理由を聞いてみました。


依頼者の祖父(対象者の父親)が亡くなった事。それにより、遺産の相続問題が発生している事。
対象者の次男(27)が再来月に結婚する事。それらを伝える為だとおっしゃいました。


失踪したのは、8年前。1通の置き手紙を残して・・・。




「もう、俺の事は忘れて達者で暮らしてくれ」



30年以上勤めていた会社の退職金をすべて家族に託し、忽然と姿を消しました。
最初の何年間かは、ご家族も必死で捜されたようですが、今となってはもう諦めているみたいです。


「幼少の頃、伯父さんに可愛がってもらった恩を返したい。今の自分に出来ることはこれぐらいしか・・・」


依頼者の気持ちが十分に伝わってきました。


調査期間は15日間。



相談を受けた翌日から、調査を開始しました。

まずは、お辞めになった会社への聞き込み。



しかし、8年前の話です。当時の対象者を知っている人はごく僅かな人たちだけです。
かつての部下だった人から「定年退職されたHさんと親しくしていました」と証言がありました。


依頼者に連絡を取り「失踪する前の年賀状でHさんを探してください」と伝え、聞き込みを続行しました。



聞き込みした結果、退職の理由がわかりました。対象者はリストラされていたんです。


翌日、依頼者より連絡があり、当時の年賀状に書かれているHさんの住所が判明しました。


急ぎHさんのところへ。


すると、Hさんの口から重大な手がかりが・・・。


「Oは現在、大阪にいる」


確かな情報なのか?Hさんを問い詰める。


「去年の年末なんだがね・・・OのヤツがTVに映ってたんだよ」



Hさんの話では、対象者は無類の“競艇好き”で、年末に、大阪の住之江競艇場で開催されていたレース中継の番組に映っていたと言います。

「ずっと仕事一筋でプライドが高いOは、本当の事を家族に話せず、独りで悩み、挙句に失踪したのでは?」Hさんが語ってくれました。



すぐに大阪へ向かいました。


依頼者から預かっている写真は、約10年前に撮影されたものでした。
わたしは、頭の中で『10年後の顔』をひたすらイメージしていました。


いざ、競艇場に着いてみてわたしは愕然としました。それは、場内があまりにも広かったからです。


写真を片手に場内をしらみつぶしに捜しましたが見つかりません。平日でも2万人以上が来場するという住之江競艇場。

2日目が過ぎ、3日目も過ぎたころ「本当にいるのかしら?」と自信をなくしていました。



しかし、4日目に事が動きました。


その日は日曜日でいつもより人が多く、わたしの目の前に、迷子になって泣いている子供がいました。


その時に閃いたんです。



「場内アナウンスで呼び出してもらおう!」と。







奇跡は起こりました。






「Oですけど、どちらさん?」




ずっと、ずーっと捜していたOさんがわたしの目の前にいます。






わたしは何とも言えない気持ちになり、その場で泣き出してしまいました。



まなみ


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