●更新日 01/30●

6輪自動車を作る男


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突如、住宅街に現れる風変りな車。

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遠目からも目立つ、平面で構成された、ジープとも、装甲車ともつかないデザイン。

ベース車はスズキ エスクード。ボディはオリジナルで、車輪は6輪ある。ここまで大改造をして車検を通っているから驚く。

「初めにこういう車を作るからって、図面を持って役所に相談に行くんだよ。それから始めるんだ。通らない訳ないじゃないか」

増永氏は勢いよく話す。

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塗装の下地を作る増永氏。奥には後輪が2つ並ぶのが見える

増永利夫、68歳。保険業を営みながら、自動車の再生業も手がける。中学の頃、親戚の営むガソリンスタンドで働いたのをきっかけに、車に興味を持つ。大学卒業後、トヨタで働いたのち今の保険業に。現在では息子さんが業務を切り盛りし、車製作に没頭出来るようだ。

増永氏は、昨年の1月にMTM(6輪車の車名)の製作に入った直後、胃がんが見つかり入院。4分の3の胃を摘出し1ヶ月半後に退院した。

MTM製作に戻った日は? と聞けば、

「退院したその日からだよ」と口を尖らせた。

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事務所にて外国の車雑誌を広げる増永氏。


増永氏がこれまで再生所有した車は、アルピーヌ・ルノーA110、フェラーリ308GTB、ポルシェ928、ロールスロイス・シルバーシャドウなど、車マニア垂涎の高級車たちだ。「走る車でなくちゃ駄目」と言い切るだけあって、スポーツカーが多い。

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サーキットでフェラーリを走らせた時の写真

増永氏は、車の再生だけには止まらず、過去に2台、カスタムカーを製作した。今度のMTMで3台目となる。下は雑誌に載った際の切り抜き。


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塗装が終わり完成したら、MTMと沖縄へ行くという。「なぜ沖縄へ」、と聞くと、

「寒いからだよ。暖かくなってから完成すれば別の所へ行くよ」と返された。

6輪の理由については、笑って「面白いからだよ」としか答えてくれなかったが、毒舌の下にある増永氏のユーモアを垣間見た気がした。

完成が楽しみだ。



ぽん


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