●更新日 04/12●

心と身体の性


皆さんは、『性同一性障害』(GID:Gender Identity Disorder)と言うお言葉をご存知でしょうか?
簡単に言うと、肉体と精神の性が別である状態の事を指します。ここ数年、自分がこの症状だと宣言する方が増えて参りました。これは今まで世間で、”異常”とされて来た事が、認識の変容によって受け入れられ始めたからだと推測されます。
この症状のうち、手術を施して精神と同じ性になりたいと願う方を『トランスセクシュアル』(TS:transsexual)、手術までは望まない方を『トランスジェンダー』(TG:transgender)と呼ぶそうです。
今回は新宿で働くTSの方にお話を聞いて参りました。

”彼女”は、元”彼”でした。



―――女装が趣味で、恋愛対象は女性なのでしょうか?それとも、『性同一性障害』で、精神的に女性で、恋愛対象は男性なのでしょうか?
恋愛対象は男性です。女性も可愛いと思いますし魅力的だとは思いますが、セックスアピールは感じません。性同一性障害というのが一般的になってきたので、まだ過ごしやすいですね。

―――何歳くらいから、自分の性にお気付きになられましたか?
子供の頃から女の子と遊ぶ方が楽しかったのですが、ときめいたりするのは男の子だったので……。10歳くらいでしょうか。

―――当時の苦悩などを
周りと同じじゃない事に気付いた時はどうしようかと思いましたが、何を勘違いしたか母親が「個性的」と言ってくれたので「個性」と思い込むようにしていました。

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―――既に性転換されたそうですが、それは日本で? また、総額でいくらくらいに? また、痛みなどはどうでしたか?
日本でしたのは胸ですね。下はシンガポールでしました。胸も何度も入れ替えてるので高級外車が買えるくらいの金額です。
術後はもちろん痛いですが「これが済んだら・・・・」という期待のおかげで耐えれます。

―――通常の女性と同じように、男性との性交は可能なのでしょうか?
可能です。前立腺を膣の奥に埋める手術をしていますので、物凄い快楽ですよ。只、女性のように濡れたりはしないのでゼリーやローションは必須です。摩擦係数は高いので男性には喜ばれます。

―――術後は通常時、膣にシリコン棒を挿入しなければならないと聞いたのですが
ピアスの穴を連想して頂ければと思うのですが、空けたものは自然治癒力で塞がろうとしますので、シリコンの棒は入れておかないといけません。塞がったら意味無いですからね。

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―――今までで1番辛かった事は?
女性だと思い込まれて結婚を申し込まれてから、カミングアウトした時です。

―――今までで1番苦しかった事は?
麻酔が切れかかった時

―――今までで1番楽しかった事は?
カミングアウトした時の反応。そして、セックス。

―――最後に。性について悩まれている方にアドバイスを
堂々と生きて下さい。それも一つの個性ですから。快楽や人間性を尊重してしまえば男女関係ないですよね。



”彼女”……Eさん(29歳)は去り際、「楽しんでます」と笑顔で応えて下さりました。
世の中には、性の事で悩む方が大勢いらっしゃいます。しかし、その事で引け目を感じる事はありません。

あなたは、あなたなのです。

たった1度の人生。隠して暮らすか、堂々と宣言するか。それはその方次第です。
願わくば、笑顔でいられますよう……。

※日本でも、98年10月に女性から男性、99年6月に男性から女性の性転換手術は成功しております。



探偵ファイル・キム



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