●更新日 08/30●


2012年に人類が滅亡する?(後編)


・2012年太陽嵐が地球を破壊する

2012年に太陽フレアが地球に破滅的な影響を与えるという説もある。これはオカルト的な仮説ではない。米航空宇宙局(NASA)の管理下にある研究チームが発表した『Severe Space Weather Events ― Understanding Societal and Economic Impacts』(激しい宇宙気象――その社会的・経済的影響の把握)という論文による説である。

これは平常時、太陽フレアの影響を防ぐ役割を果たしていた磁気シールドに、大きな穴が開き、その穴から太陽フレアが地球上に大きなダメージを与えるというものである。太陽フレアが放出する莫大なエネルギーは、地球上の磁場を大混乱させると推測されている。放出された電流は、世界中の高圧変圧器を破壊し、ライフラインのひとつである電力網が完全停止すると言われているのだ。これらの混乱は、現代社会の運営を停止に追い込むものであり、最初の1年間で1兆〜2兆ドルの被害額が発生し、その復旧には4年から10年という年月が必要になるという。



この磁気シールドの穴による太陽フレアの干渉は、決して珍しい現象ではなく、近年では1921年と1989年に起こっている。特に1989年時のダメージは酷く、地球上を襲った激しい磁気嵐がカナダのケベック州の電力システムを完全に破壊し、9時間、600万人に及ぶ大停電を引き起こしており、復興には数ヶ月を要した。2012年には、この被害よりさらに大きな災害が引き起こされると言われているのだ。

驚くべきことに、2007年2月17日に打ち上げられたNASAの磁気圏観測衛星「Themis(テミス)」の観測結果によると、磁気圏に地球本体の4倍という大きな幅を持つ穴が発見されたのだ。

もし2012年に、磁気シールドに開いた穴が、太陽フレアが放出する莫大なエネルギーを地球上に招き入れた場合、破滅的な災害が起きる可能性があるのだ。この災害の規模は予想上に大きい。高温で電離した大量のプラズマが、地球上に降りそそぎ、壊滅的な打撃を与えると言われている。これはオカルティックな予言や霊視ではなく、あくまで科学的な観測に基づいた未来予測なのだ。

この地球上に降り注ぐ大量のプラズマは、地球の磁場を破壊し、ありとあらゆる通信網が混乱に追い込む。管制塔からの指示を受けれなくなった飛行機が世界中で墜落し、システムで運行管理していた地下鉄や鉄道が各地で暴走、コントロール不可能になった気象衛星や軍事衛星が群れを成して地球に落下する可能性がある。いや、最も恐ろしいのは、このパニックに乗じたテロ組織の破壊活動や、混乱した軍事国家による核攻撃である。

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山口敏太郎



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