●更新日 03/25●


土浦通り魔事件容疑者を掲載したサイトが関連情報削除


茨城県土浦市で起きた通り魔事件の容疑者について掲載していたとされるサイトが、ネット上で話題になると該当箇所を削除したとして、更に注目を集めているようだ。

既に各所で報じられているように、土浦市で通行人が立て続けに襲われた通り魔事件で、無職の金川真大容疑者(24)が逮捕された。容疑者は現場から逃走後、自ら出頭した。出頭した理由は「怖くなったから」とのことで、「殺すのは誰でもよかった」などと動機について説明している。当初は、母校の小学校を襲撃することも計画していたという。

ネット上では、金川容疑者が過去にゲーム大会に参加していた証拠があるということで、話題になった。それが掲載されていたのは、Impress Watchの2003年8月30日の記事だった。記事の題名は、「「Xbox Championship Vol.2」、関東地区決勝大会開催される 「DEAD OR ALIVE Xtreme Beach Volleyball」で熱き戦いが繰り広げられる」。

記事では、大会の様子を詳細に伝えている。その後半部分に、次のような記述があった。
「そんな中、最後まで勝ち残ったのは冷静に戦い抜いた坂巻弘隆さんと金川真大さんのお二人。特に金川さんは「Xbox Championship Vol.1 全国大会」で優勝した穂刈さんを準決勝で接戦の末に破り、決勝にコマを進めただけにかなりの実力者。ところが決勝は、坂巻さんが3ポイントを連取。そのまま決着がつくかと思われたが、中盤に金川さんが地力を発揮し盛り返した。試合はわからなくなったが、終始ミスが少なく、冷静に戦い抜いた坂巻さんが“7対5”で勝利を手にした。」

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そこには画像も掲載されていて、長髪で眼鏡をかけた金川真大という人物が写っていた。

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今回の事件で茨城県警が公開していた情報「土浦市中村南地内における男性被害殺人事件捜査本部からのお願い」には、容疑者の特徴の一つとして「眼鏡を使用することがある」と記されていた。また、容疑者がゲームに関心の高い人物であるということからも、上記記事に掲載されているのは同一人物ではないかとの推測がネット上では飛び交った。

すると、Impress Watchは当該の記事を突然書き換えた。「そんな中、最後まで勝ち残ったのは冷静に戦い抜いた坂巻弘隆さん。決勝も、終始ミスが少なく、冷静に戦い抜いた坂巻さんが“7対5”で勝利を手にした。」と、肝心の決勝戦に関する記述が不自然なまでに極端に短くなった。しかも、長髪に眼鏡姿の男性が写っている画像だけが同時に削除された。

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この大会の様子は、他サイトでも取り上げられている。その一例が、Gpara.comの2003年9月1日の記事「関東の覇者決定「Xbox Championship Vol.2」『DOAX』大会報告」だ。この記事にも、「対戦者の金川真大氏が決勝進出となった」とフルネームで掲載されていて、容疑者が写った画像もある。容疑者逮捕後も、関連する記述や画像に削除や変更等はない模様だ。

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一方、2003年9月1日の「Yahoo!」の記事では、「金川真大」という名前が一度も出てこない。「試合結果は、得意だというヒトミ&エレナを操る坂巻さんが、レシーブに難のあるティナを強烈なスパイクで重点的に攻めたて、白熱のラリーの末にみごと勝利」、「惜しくも敗れてしまった人も、みごとな戦いぶりだった」と記されている。名前が出てこないのは偶然だったのかもしれないが、Internet Archiveで確認しても、事件後に記事が書き換えられた形跡はないようだ。

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ちなみに、上記ゲーム大会に出場した同姓同名の人物は金川容疑者であると、3月24日のZAKZAKの記事は断定している。「「プー太郎」で引きこもっていた容疑者だが、ゲームの世界では“頭角”を現していた。2003年9月に行われた格闘技ゲームの関東地区決勝大会では、前年のチャンピオンを破って決勝に進出した。」と記されている。なお、「9月」とあるのは「8月」の誤りだろう。

過去に報じた記事に登場した人物が事件の容疑者となったということが、Impress Watchにはそんなに不都合だったのだろうか。大会決勝戦の貴重な記録を、大幅に削除して「臭いものに蓋」という姿勢は、サイトを訪れるゲームファンに対して誠実であると言えるかどうか。いずれにせよ、ZAKZAKの記事が掲載された現在となっては、削除したことの意味はすっかり薄れてしまったように思える。



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