●更新日 11/08●


京都大学が「ニート差別」と訴えられ大騒ぎ


京都大学が学園祭「11月祭」のテーマを「超意欲的ニート」にしたところ、
「ニート差別だ」という多数の抗議を受けてテーマを変更するという騒動があった。
学園祭事務局は7月2日から8月20日にかけて今年度の統一テーマ案を募集し、集まった案の中から募集規定を満たしているものについて、9月3日から7日に投票会を実施した。15日に開票が行われ、「超意欲的ニート」が最多得票数を獲得し、20日に実行委員会によって正式に決定された。



ところが、このテーマは適切ではないという意見が多数寄せられたという。問い合わせだけでなく、ビラを配布して抗議する動きまであったとのこと。そこで、10月22日と24日に行われた実行委員会で、このテーマが適切であるかという議論がなされた。

その結果、問題ありという結論に至り、テーマは投票時に次点だった「満喫!モラトリアム」に変更された。



では、何が問題とされたのか。学園祭HPによると、抗議してきた人々による具体的な指摘としては以下のようなものがあったという。


「現在一般的に流布されている「ニート=意欲がない」というイメージと、ニートの実態は乖離している」、「「超意欲的」と「ニート」の言葉を結びつけることは、「ニート=怠け者」と言っているようなものだ。この誤ったイメージを学園祭の統一テーマとして掲げ世間に広報するのは、11月祭の社会的影響力を考えても不適切ではないか」、「仮にも京大に学籍を持つ者が「ニート」の言葉を遊び半分で用いるのは侮辱的ではないか」。


このような問題提起を受けて、実行委員会では以下の五つの論点が提示され、議論の対象になったという。「「ニート」という概念の使用法の誤り」、「「ニート」ではない学生の立場から、この語やこの語の背景にある社会問題を茶化すことの不適切さ。実際に「ニート」の境遇にある人やその家族に対する配慮を欠く」、「「まじめな」京大生を「ニート」にたとえることの不適切性」、「テーマとしての内容の欠如。低俗なテーマを設定し大衆に媚びている」、「テーマ決定プロセスの不透明性。投票は多くの京大生の意見・見解を反映していない」。


今回の件について、探偵ファイルでは京都大学の職員に実際に話を聞いてみることにした。すると、「言いたいことはいろいろありますが、学内では話しにくいので・・・」というので、時間を改めて指定された番号に電話をかけると、こんな本音を語ってくれた。


「学園祭のテーマのことは、職員の間でもいろいろ話題になっていました。ですが、今までもくだらない題名ばかりでしたから、何を今更、という感じですね。大学としては、差別問題についての教育は熱心です。「偏見・差別・人権」という講義が10年以上前からあります。つい先月、その内容をまとめた本を刊行して、それなりに大々的に広報したばかりでした。そのことを掲載してくれた京都新聞にも、テーマ変更についての記事が掲載されてしまったというのは恥ずかしいですね。」


過去の開催テーマの一部を挙げてみよう。

「白い乳房の上の11月祭」、「我輩は京大生である 理性はもうない」、「知と痴の融合」、「堕落の道も一歩より」、「素晴らしき無駄なエネルギー」、「総長!京都を占拠致しました!」。


上に引用したように、今回の論点の一つは「テーマとしての内容の欠如。低俗なテーマを設定し大衆に媚びている」ことだというが、過去の例を見ても大差は内容に思える。やはり、差別的表現と受け取られる可能性があるという点が問題だったのだろう。


それにしても、「満喫!モラトリアム」では無難すぎないか。今回の騒動で萎縮して、来年度から大人しくなったりしないことを願うが・・・。ガンバレ京大生!!




探偵ファイル



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