写真家の河野鉄平氏がニュースサイト「デジカメ　Ｗａｔｃｈ」（株式会社インプレス）に執筆した記事の画像に盗用疑惑が浮上して、物議を醸している。当該の記事は、２０１５年１２月１６日の連載「ポートレートの新しい教科書」第３回である。

カラーメーターに関する記述があり、セコニックの「スペクトロマスター　Ｃ−７００」を紹介している。その画像をよく見ると、「Ｓａｔｏ　Ｓｈｏｕｊｉ」と書かれていることが判明。そして、この製品を販売する株式会社佐藤商事のＨＰに、同じ画像が掲載されていた。本件が話題になると、画像の盗用ではないかと疑う声が相次いだ。

間もなく、記事の画像は差し替えられた。だが、その経緯等についての説明がなかったため、憶測が飛び交った。差し替え後の画像は、Ｃ−７００のカタログ（２０１５年３月発行）に掲載されているものと一致する。一方、佐藤商事ＨＰの画像は、表示されているＣＣＴ（相関色温度）の数値などが、カタログの画像と異なっている。


当サイトでは、株式会社セコニックに話を聞いた。同社では、このたびの騒動を既に把握していた。河野氏本人から、謝罪の連絡があったという。河野氏は、「手違いで不適切な画像を記事に掲載してしまった」と説明したそうだ。その後、セコニックはインプレスの担当者とも話し合い、詳細に関する事実確認を行ったという。

また、差し替え後の画像は、セコニックのカタログからの転載ではなく、同社がデジカメ　Ｗａｔｃｈに対して正式に提供したものであるとのこと。一方、佐藤商事ＨＰの画像は、以前にセコニックが掲載していた古い画像であるという。そして、セコニックは佐藤商事に対して、その画像の使用ならびに転載許可を出していないそうだ。

なお、当サイトが本記事に使用したＣ−７００関連の画像は、セコニックの了承を得た上で掲載している。



高橋