●更新日 05/14●
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STAP細胞騒動 〜STAP細胞移植された犬と猿の行方1〜





森口尚史

ハーバード大学のバカンティ教授らはNature論文発表直後に「STAP細胞移植した脊髄損傷猿が著しい回復をした」と発表した。
基本的に少なくとも霊長類を用いた移植実験では施設内倫理委員会の承認が必要となる。マウスならばそれほどでもないが、犬以上の大動物なら厳しい審査になる。今回の場合、彼所属のBWH(ハーバード大学医学部関連病院の1つ)で審査がなされているはずだ。よって、理研はバカンティ教授らと病院の広報にSTAP細胞関連の動物実験に関する審査資料の情報開示請求を行えばいい。
そこには「ハーバード産のSTAP細胞(STAP幹細胞)」に関する記述が詳細に書かれているはずだ。日本では理研のSTAP細胞(STAP幹細胞)に関する議論しかされていないが、ハーバード大学にSTAP細胞(STAP幹細胞)があったか否かがこれでわかる。

さて、関係者によれば「上記の猿は逃げた」とのこと。
もし、それが本当ならば大事件である。
大学のみならず地元警察やFBIによる捜査も開始されるはずだ。しかし、もはや3ヶ月経過した今でも何の捜査もなされていない。また、地元の有力誌の記者らは「上述の猿の存在」にかなり懐疑的である。こりゃ、猿どころか上記の審査資料自体が無い可能性があるな…。こうしたことを大学関係者に取材するのが日本のマスコミの役目でしょ?ほぼ電話とメールで済みますよ(笑)。
まあ今、ハーバード大学ではSTAP細胞問題どころではなく「心筋再生医療」に関する大がかりな不正問題(私にとっては様々な意味で「いよいよ」だが)の処理で大変なようですが・・・。

なお、多能性幹細胞利用の移植医療について誤解されている読者がいるのでこの場で追記を。
ES細胞やiPS細胞が移植医療に使われる場合、少なくともそれらがそのまま移植されることはない。奇形腫(腫瘍)の発生など重篤なリスクが生じるので。ES細胞やiPS細胞から肝細胞や心筋細胞などに分化させ、大量培養されたものが移植されるのだ。ただ、その場合でも他者の細胞由来のものを使う場合(他家移植)には免疫抑制剤が必要となる。
ES/iPS細胞のようなSTAP細胞がそのまま移植されることは考えられない。
それともSTAP細胞はES/iPS細胞を超えるの?教えてバカンティ先生。



森口尚史(元 東京大学特任教授) 森口尚史


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