●更新日 02/13●






時効停止  〜警視庁の本音




昨年の11月より行われていた公訴時効制度の見直し。現在も数回の議会が繰り返され、被害者遺族にとって吉報を予感させる報道もされている。では、現場で働く警察官はこのことをどう思っているのだろう。今後の捜査に影響はあるのか?
警視庁の警務課に尋ねてみた。


時効がなくなるということで捜査方法や証拠について何か変わることがある?
世田谷の一家殺人事件に関しても、特殊な塗料が靴底に付いていたってことで、科学捜査の方も進歩してきて、年数が経って今ごろになって判明する部分もある。過去の事件は埋もれさしちゃいけないんだけど、人的制限もあるんで捜査は日が経つことに縮小されていくのは現実的なもの。
どうすれば、埋もれた事件を再調査してもらえるのだろうか。
やっぱり、証拠が無いから捕まっていない部分もあると思うし、何か証拠が出てきたら積極的に取り組んでいるよ。針の穴を通すような小さな光でも見えれば、捜査する。
行き詰まった事件を解決するには、先日の市橋・リンゼイの事件のように国民全体の協力が不可欠。しかし、時効があれば時効をきっかけに過去の事件を国民に思い出せるタイミングはあるが、時効廃止になった場合、何時・何をきっかけに過去の事件を思い出すのだろうか。
うーん・・・。それは難しい話だねー。でも、マスコミなどが騒げば捜査は大きくならざるを得ないんじゃないかな。
それは、警察からは何もしないってこと?
そんなことないよ。こちらも常に捜査は続けているから。逆に時効停止についてどう思う?
犯人は逃げてても時効がないから、逃げる気力が無くなるかもしれない。自首率が少しは上がったりするから賛成だ。
まぁ、そうだね。一生だから、そういうプレッシャーもあるよね。でも、やっぱりこれは、すごく難しい。ただもう、事件はいっぱいあって、それに対して時効のカウントダウンがされていくから、それが無くなったら事件の件数的には年々積み重なっていくのかなって気がするけどね。


警視庁


○○さんは、この法案に対してあんまり乗り気じゃなさそうだね?
労働基本権のない公務員だから自分の意見は何も言えない(笑)。
こういったことは、法務省と現場が相談して決めたりするの?
相談はないね。法務省が警察法を改正して我々は従うだけ。


最後に、この法案に対するメリット・デメリットについてはどう?
デメリットは時効が無くなると、資料の量が膨大になって保管先が必要になってくること。車など大きい証拠はずっと署に置いとくわけにはいかないし倉庫を借りたりしなくてはいけないね。写真や他の証拠もかさ張れば保管場所が必要になってくるね。正直、その分お金がかかる。メリットは・・・被害者遺族の励ましになると思う。



メリット少なっ!



BOZZ








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