●更新日 01/31●


日本の農業技術を盗む外国人の悪質手口


日本から不正に持ち出されたイチゴの新品種が、韓国で莫大な利益を得る手段になっていると先頃報じられ、話題になった。(参考 YouTube動画)

韓国で生産・販売されるイチゴの9割は日本で開発されたもので、生産許可も得られていないものばかりであるという。このような事例は枚挙に暇がないようだ。その実態について、JA関係者に話を聞いてみた。


写真


関係者曰く、日本から新品種が海外に不正に持ち出されてしまう原因は、品種登録等の手続き上の問題だけではないとのこと。そのような問題への対応をおろそかにしてはならないが、農業を営んでいる人々自身にも非があるという。それは、農業技術の研修等を目的に海外からやってきた人々への警戒心の乏しさである。

研修に訪れた外国人は、日本の農業関係者の見ていない隙をついて、新品種の苗や種を持ち去るそうだ。中には、新品種を見たいと言って断られると、「見せろ」と恫喝する外国人もいるようで、特に中国人に多いという。更に、より巧妙な手口もある。それは、「捨ててある苗」を拾うことである。例えば、育ちの悪い苗を間引いて畑の片隅に積み上げてあるものに、外国人は目をつける。「これ、もらっていっていいですか」と外国人に尋ねられて了承してしまったというパターンが、これまで繰り返されてきたという。

了承してしまった以上、「盗まれた」とは言えない。捨てられたばかりの苗ならば、すぐに自国に持ち帰れば、それを自分の畑で増やすことも可能だ。こうして、農業関係者たちの自覚がないままに、海外に品種が流出していく。「生産の現場にいる人たちが、問題の深刻さを自覚しないと。個人的な意見ではありますが、JAも研修生の受け入れについて、根本的に見直す時が来ているのではないかと思います」と前出の関係者は語る。


写真


日本の品種の流出というと、果物の事例が有名だが、野菜や米に関しても同様の問題が起きているそうだ。例えば、今や世界各地で栽培されているコシヒカリだが、海外で生産されたものを一通り取り寄せ、国産のものと一緒に一般の消費者に食べてもらうという実験が日本で行なわれたことがあるという。その結果、ほとんどの人が国産とそうでないものの区別はつかなかった。価格は国産よりずっと安いので、日本の農家には痛手となるだろう。

海外に流出した技術によって栽培されたものは、味では日本産に劣ることも多い。しかし、現地で従来消費されていたものよりは遥かに美味であるため、非常に高価で販売されるという。その一例が中国であり、中国で富裕層に愛好されている同国で栽培された野菜や果物には、日本から盗まれた技術が使用されていることが少なくないとのこと。日本から輸入するよりは安価なので、とても喜ばれているそうだ。

「「国際交流」という響きのいい言葉の裏で、こういう問題が起きていることをもっと知ってもらいたい」というJA関係者の言葉が印象に残った。読者の皆さんは、このような問題について、どのように考えるだろうか。特に農業に携わる方々のご意見やご自身の経験等を、ぜひ伺いたい。



高橋



◇上記のタグを自分のサイトに張ってリンクしよう!


探偵ファイルのトップへ戻る

前の記事
今月のインデックス
次の記事