※下線文をクリックすると、山木のコメントが見られます♪
私は、いま一本のビデオテープを見ている。
そのビデオは「シリーズ・ザ・山木」にて、宮ぷ〜氏が出したミッション、「イアンになれ」を山木が某所の洗車場で行った映像記録であり、
そしてそのテープに収録されている内容は狂気以外の何者でもない。
まず、何故に山木は探偵にも関わらずこのような事をしているのか?
そして、何故に春先だというにも関わらず「トロピカル」かつ「レジャー気分」を満喫したような格好をしているのか?
謎が謎を呼ぶが、このビデオで山木はそれについて何もコメントはしていないし、する気も無いようだ。
トロピカルダンディー
このビデオは淡々とオーリーを塗り続ける山木の映像が環境ビデオのように流れ続け、そしてそのオーリーを塗る山木の手つきは妙に手馴れたものだ。
このオーリーさばきはテレコンワールドでオーリーを塗りつづけた「イアン・ロング」・「マイク・レビー」でもかなわないであろう。
だが、彼は今回のミッションに何故かためらいがあるようだ。何故ならば、彼はオーリーを塗り、そしてその塗ったオーリーをふき取ろうとせず、
只淡々と厚く塗りオーリーの皮膜を作るという、イギリスの産業革命の労働者のような単純作業を繰り返すばかり。
流石に、今回のミッションはオーリーの達人と言っても過言ではない山木でも不安があるようだ。
そして、
スプレーやタールを塗るための準備をしている姿は、捨てられた子犬の目よりも哀愁があり、そして寂しさが感じられる。
動画(RealPlayer形式:) 東京さびしんぼう
なぜ彼がここまでオーリーに呪われる事になったのかは一切わからない。ただ一つ確実に言える事は、彼が半ば自暴自棄になりながらこのビデオを撮影している事であり、
そしてその彼の目は野心に燃える戦国武将よりもギラギラと輝いている。
そして彼は言う
「えー、金髪のせいでこんな事をしている訳ですが」
・・・・このミッションを出したのは「宮ぷ〜」氏である。私ではない。
だが、彼の心には何かしらの自信とオーリーに対する信頼があるのであろう。
カラースプレーを愛車「マークII」に吹き付ける山木のその動作に疑念というモノは殆ど見て取れない。
動画(RealPlayer形式:) みるみる赤くなる
動画(MPEG1形式:) みるみる赤くなる
そりゃそうだ
なにせ、彼が今現在やっている行為は、数年前のテレコンワールドで「イアン・ロング」が既にテストをし、オーリーの効能を実証している。
すなわち「安全」という事だ。(希望的観測)
みるみる赤くなるマークIIのボンネット。ガンメタリックが赤く染まり、そして愛車の中古査定価格は某企業の株式よりもはやく落ちてゆく。
しかし、彼の飽くなき挑戦は終わらない。
彼はスタスタと愛車の後ろに歩みより、そしてバケツの中にある何かしらの液体をボンネットにぶちまけた。
「あははは、この世はタールばかり」
書くまでも無い。それはタールである。
動画(RealPlayer形式:) この世はタールばかり
動画(MPEG1形式:) この世はタールばかり
だが、彼はこの時点で一つ大きな間違いを犯している。
それは、「イアン・ロング」がオーリーの効能テストとしてタールを使用した際には、少量のタールをボンネットに塗っただけであり、決して今回のようにマサカリ投法よろしく
バケツいっぱいのタールをブチまけていないという事だ。
バケツいっぱいのタール
彼は磨く。
一心不乱にボンネットを磨く。
だが、彼のマークIIはショールーム並みの輝きが戻ってくるどころか、漆黒に染まるばかりで一抹の光明すら見えない。
「マークII」は漆黒の闇に包まれた
テレビ画面の向こうから語りかけてくる山木の表情。
それは、一つのもの事を達成した勝者特有のモノであったが、彼はその数秒後に悪夢を見る事となる。
運転席より
話によると、彼はこの後洗車場のすぐ後ろにあるガソリンスタンドに駆け込み、マークIIを洗車機に送り込んで、
人生の中で最も長い洗車時間を体験する事になったそうだ。
だが、残念な事に洗車機で洗っている映像はこのビデオテープには映っていない。
しかし、山木の音声コメントと、その後コンパウンドでボンネットを磨いている彼の姿は静止画として残されている。
コンパウンドで汚れを落とす山木 コンパウンドで磨いたボンネット
山木のコメント(MP3形式)
スペースシャトルにも採用されたオーリーゴールド。
だが、このオーリーゴールドを開発したメーカーは絶対にこのような使われ方は想定していないだろうし、想定する気もなかっただろう。
この「オーリーの効能を調べる」というシリーズ、最初に考えた自分が言うのもなんなのだが、いつの間にやら「オーリーVS山木」にかわっているような気がしないでもない。
春の日の深夜にビデオテープを再生しながらフッと思った事である。
( 吉野健太郎 )
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