嫌がらせの意外な犯人 ２

数年前の夏、ある一軒家に住む女性から相談を受けた。
「家の外壁に小便をかけられて困っているんです。」
そういった悩みを抱えている人は大変多いでしょう。
ほとんどの人の場合、散歩中の犬の仕業かと思われますが・・・



いつも同じ場所に小便をかけられる・・・
だから、そこにはシミができてしまったのだ。
壁に張り紙をしても、全く効果は無かった。
その張り紙にいたずら書きまでされる始末でした。
「犯人を割り出したい」
「犬であれば、その飼い主に文句を言いたい」
女性はかなり怒っていました。



小便をかけられる時間帯は様々だという。
依頼者が気になるのが、小便のかけられる場所が娘（中２）の部屋の真下である事。
娘が家にいる時に、されているらしいのだ。
犯人は娘のストーカーかもしれない・・・

早速調査をする事に・・・
夕方から、家の近くで監視した。
夜８時過ぎ、娘（中２）が学習塾から帰宅した。
１時間程過ぎて、娘の部屋の明かりがついた。
小便のかけられる場所は、車の通れない暗く狭い路地。



この時間にそこを通る人は、１人もいなかった。
しばらくして、壁の異変に気付いた。

濡れている・・・
人も犬も通っていないのに・・・

シミのできた壁の前で、犯人を見つけた。
人でも犬でもない・・・

エアコンだ。



エアコンの室外機から出る水。
それが、ひびの入った雨どいから　ポタッ　　ポタッ　としずくが落ちている。

雨どい

シミの原因は小便ではなかったのです。

依頼者は安心して張り紙を剥がしました。



ガル探偵学校スタッフ