小説の探偵は考えられないヘマをする。
例をあげれば暇が無いが、一番多いのが尾行の時、敵に接近しすぎると言う点かな。
本物は、50メートルくらい離れているよ。ほんと。
テレビの取材なんかでも、クルーが「それじゃ絵が撮れませんので、もっと接近してください」と言う。
ほんの10メートル。おいおいこれじゃストーカーの距離だろ、と内心苦笑い。
小説の距離感も同じ感じ。尾行だけじゃなく、聞き込みにしても何にしても、近くに敵の匂いがする。
つまり、敵も探偵の匂いが嗅げるわけ。
だから探偵小説が嫌い。みんなヘッポコ。名探偵明智小五郎なんか、俺に言わせたら
まだ一年目の駆け出し。だいたい、敵が目の前にいるのに「この方は探偵です」なんて、
警部に紹介されたりしないよ(笑)探偵と言うより、推理マニアの精神科医だね。
あと、絶対あっちゃいけないのがハードボイルド系。
敵がどんなに悪い奴でも、殴って怪我をさせたら敵より先に実刑を喰っちゃう(笑)
傷害は一番分かりやすい犯罪だから。
それから、例え敵に捕まっても、口が裂けても探偵なんて言わないよ。
言った時点で守秘義務違反だもん。依頼者に対して。
現実の探偵でもヘマはいるよ。小説みたいなのが(笑)情にもろかったり、尾行がすぐにばれたり。
俺は彼らのことを「明智くん」と呼んでる。すぐに正体を見せるから。
俺?今でも大丈夫だよ。20年も探偵やってりゃ、だいたい電話一本で調査終わっちゃうから。
ヤクザの組長に捕まった話、少しだけ書くと、もうその上部団体に話をつけておいてから
飛び込んだから、捕まったというより、潜ったかな。
で、友達になっておいて、悪事の現場を見て、最後は逮捕させた。
刑務所から桜のマーク入りの詫び状が来たよ。とんでもない人にどうも失礼しましたって。
今はその人、上野でカタギになってる。会いたいとは思わないけど。
こんなこと書くと、余計に怖がられちゃう。こういった質問は金輪際受けませんので(笑)
探偵の能力って、最終的には知り合いが多いか少ないかだから、小説の題材にはならないよ。
本物はラストが目で見えないもの。会おうと思えばだいたいの人と接触できる。
この能力に尽きるから。(例えば、モー娘。の社長ともすぐに会えるよ。今度、証拠見せるね)
あなたのうしろに探偵がいる・・・・