スパイ日記
渡邉文男 MAIL : spy@tanteifile.com



9月26日(水)



指令43: ディズニー・シーを制覇せよ


BOSS本人




私の誕生日に友人からのプレゼント

「ディズニー・シー&ホテル・ミラコスタ宿泊チケット」


彼女は大喜びだが、私にとっては非常に迷惑な贈り物だった。



オープンして三回目の土曜日。


周りの景色よりも人のほうが多い。

どこに行っても長蛇の列、列・・・。


比較的人が並んでないアトラクションを見つけ

彼女と並んだ。


この人数であれば1時間だな、と思って列の先頭を見ると

おねーちゃんがスコップを持って何かを一生懸命掘っている。



ポップコーンだった



みなさんにはこの意味がお分かりだろうか?


私は、東京のクソまずいラーメン屋に行列ができているのを横目で見て

「ばかじゃね〜の!?」

と思う人間である。


この世で一番大切なものは「時間」だと信じて疑わない私にとって

「立って待つ」という行為そのものが拷問に等しい。


しかも、相手は「ポップコーン」である。


めまいを感じながらはしゃぐ彼女と並ぶ。


意識がモウロウとしてきたが、何とか頑張って立ち続け

やっと買えたポップコーンをひとくち食べる。


慌てて作っているので、味がひどい。


思わずハコごと投げ捨てそうになったが

彼女が喜んで食べているので我慢した。


次に並んだのは、クリスタル何とかの魔宮。

彼女がはしゃいでいる。本当に嬉しそうだ。


私はそっと、係りのボーズにどのくらい待てば

入れるのか聞いた。



「ここから120分ですっ!!」



とてもさわやかな応答。


そりゃおまえはいいだろ、給料もらってるから。


でも俺はタダで120分も立って待たなきゃいけない。

しかも昨夜は仕事でろくに寝てない。


気絶しそうになったので、彼女に


「今日は土曜日だから混んでいる

平日に連れてくるから今日は勘弁してくれ」

と直訴して帰路に着いた。


要するに、この日はわざわざホテルに泊まり、ディズニーシーに

ポップコーンを買いに来たのだった。



そして昨日、平日の火曜日に二度目の訪問。


万全をきし、朝7時に車で、8時に着いた。


いやな予感・・・土曜日より車が多い。


しかも、モノレールに乗らないと

ディズニーシーに行けない駐車場に誘導された。



モノレールのキップを買うのに1時間立たされる



もうここで発狂寸前である。


ディズニーシーの玄関。ものすごい長蛇の列。



パスポートを買うのに1時間立たされる



小学校で、先生に怒られて廊下に立たされたことを思い出し

涙がとめどもなくあふれてくる。


最後の気力をふりしぼり、クリスタル何とかの魔宮に行く。


まだ午前10時なのに、人は土曜日より多く、子供に何度も

体当たりを食らう。おまえら、今日、平日だろ?

学校さぼるなよ・・・。


やられた・・・死にたくなるくらいの絶望感がおしよせる。



「ここから140分です!!」



と、係りのねーちゃんが叫ぶ。

土曜日より20分も多い。


いかん・・まるで回転木馬に乗っているかのように景色が回りだした。



それから、自分がいったい何をして、どうやって家に帰ったのか

まったく記憶がない。



翌日、彼女から「何にも覚えてないの?2つのアトラクションに乗ったよ」

と聞かされた。


「ストームライダー」に乗ったあと、私は何度も万歳三唱をしていたらしい。