●更新日 08/17●
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「裏側」私のトラウマ





小学1年生の夏だった。


私は、「父」におねだりをして、ペアのカブトムシを買ってもらった。

カブトムシを捕まえたことが無かった私にとって、カブトムシはまさに憧れの昆虫。うれしくて仕方がなく、寝る時間を過ぎても、ずっとケースにはりついてカブトムシに釘付けになっていた。

カブトムシ

母に怒られて渋々ベッドに入った後も、ずっとカブトムシのことを考えていた。いつしか眠りに落ち、ふと眼を覚ましたときには、家中静かでもう両親も寝静まったようだった。私はそっとベッドを抜け出し、カブトムシが置かれた玄関先へと向かう。


ギチ…ギチ…ギチ…


なにやら、カブトムシのケースから音が聞こえてくる。

私は心配になり、恐る恐るケースの中を覗いた。


すると…


オスがメスに、XXX。


けれど、小学1年生の私が、そんなことを知っているはずがなく、オスがメスをいじめていると思い、急いでケースの蓋を開けて2匹を引き剥がした。

ばりっ!!

っと、結構な衝撃があり、心配になってオスのおなかを見ると「なにか」が突き出ている。


「うああ!内臓が出てしまったでぇ!」


パニックに陥った私は、飛び出してしまった内臓を押し込もうと必死になった。

せっかく買ってもらったカブトムシが死んでしまう!

幸い飛び出してしまったカブトムシの内臓は、すんなりと体内に戻ってくれたようで、ああよかったと安堵しつつ、私は、初めて虫の「裏側」をまじまじと見ていた。


そこは、おなかに横縞がはいり、もにゅもにゅと怪しくうごめいている。足が真ん中から生え、うにゃうにゃ動いているが、うっすら太もものような形までしている。生々しい胴と腹部のつなぎ目は呼吸するようにヌチヌチと動き、ご丁寧にうっすらと毛まで生えている。裏返されたことを拒否するかのごとくすべての足がわらわらと空を掻き毟るその姿に


私の全身の毛穴は縮み上がった。




「いやあああああああああああ!!!!!」




その日、昆虫と決別した。



のん のん


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