小学生の頃、田舎ですから当然のごとくクワガタを獲りに連日山の中へ突入していたわけです。

今と違ってクワガタなんぞはデパートではなく山にちゃんとおりましてね。みんなで山中を巡り巡って樹液の出てる木を探しまくる。そして見つけると穴の中や根元をゴソゴソまさぐりクワガタを探す。

コクワガタなんかはなんぼでもおりまして、見つけても資産価値は無く、ヒラタとか見つけると大喜びで山を下り、道端で戦わせて遊ぶわけです。

その日もみんなで山に入ってたんですが、新しいお宝の木を探してましたらブオーンと音がする。樹液の出てる木にはあらゆる昆虫が集まるので蜂がいても当たり前なんですが、その日いたのは運悪くスズメバチオ様。



キングオブキングス、蜂界の帝王なわけですよ。

しかし、目の前にあるのはまさに手付かずの自然、ちょっと掘ってやればアメリカンサイズのクワガタ発見の可能性を秘めているわけで、スズメバチを警戒していたものの、一緒に来ていた成績の悪いナオジ君が我慢できずに木へ突入、
その数秒後


「ギャオー」


という断末魔の叫びとともにおでこを刺されて本隊へ帰還。

そして


「しょんべんかけてくれー！」


と叫ぶわけです。

刺された部位がおでこなのに。

しかしまあ本人の強い希望と、アンモニアが効くとかいうことだけは知ってたわけで

３人でナオジ君のおでこにむかってオシッコしたんですが

座ってじっとオシッコをおでこにかけられる姿は



水かけ地蔵のようでございまして。

さすがに数秒でナオジ君、

「もうええわ、もうええ！」

と叫んだんですが、応急処置中のこっちがなんか不思議と興奮しちゃって、
ナオジ君の頭におしっこをかけ続け


「アレー？ちんこ勃ッテキター」


「もうええて！」


「じっとせえやナオジ！」


「もう治ったって！」


「ウソつけ！」


とかもうめちゃくちゃで。


今の子こんな遊びせえへんと思いますが、なかなかおもしろいことやってたなと。



住職