●更新日 11/28●


京都宇治市・元社長強盗殺人事件……探偵の視点


最初は「行方不明になった夫を捜して欲しい」という妻からの依頼だった。

失踪は4月22日のこと。妻はその日のうちに警察へ向かう。
しかし警察は「今の時点では家出人としてしか扱うことができません」との対応。
一緒に行動していたはずの知人:栩原(とちはら)を問い詰めるも、彼は不自然にも「その日はゴルフをしていた」などとうそぶくばかり。
警察はあてにできない。弁護士にも打つ手がない。途方にくれた妻は探偵に頼むことにした。

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相談を受けた探偵は3日間連続、計16時間 以上にわたり面談を行った。
その結果わかったことは、

@最近、夫の会社が倒産した。
A実はこれは計画倒産。これを手引きしたのは夫とは20年来の知人である栩原。

そして、さらに重要な情報。
B計画倒産で得た数千万円の金は、栩原名義の口座に入れており管理は夫が行っていた。
C行方不明になる約1ヶ月前、夫は何者かに後頭部をバットで殴打され大怪我を負っていた。


間違いなく事件性がある。そう判断した探偵は警察に捜査を促した。
「夫が管理していた栩原名義の銀行口座を調べて欲しい。もし夫が失踪した4月22日以降に入出金の形跡があるのなら……」
探偵が用意した16時間以上の依頼者との面談記録。判明した数々の状況証拠。
これらを前にして、ついに警察も動き出した。
詐欺罪で逮捕された栩原は取調べの結果、ついに夫の殺害を自供する。
そして『不明の元社長殺害、知人の男が自供』という見出しが新聞紙面を飾ることになるのだった。

写真
強盗殺人犯 栩原慶一(61)

依頼者の妻は涙を流して礼を言った。
「あなたがいなければ夫は単なる行方不明のまま、この事件は風化していたことでしょう。本当にありがとうございます」

警察が動くに動けない事件は多い。まんまと隠蔽されてしまった事件も数多いのだろう。
しかし、それを風化させることを良しとするべきではない。
その一助になれるのであれば、探偵の本懐これにすぐるものはない。



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