●更新日 11/12●


サラリーマンのリスク


品川駅の高輪口正面の一等地に立地している京浜ホテル。


京品ホテル


明治4年に旅館として開業したが、バブル時期の多角経営に失敗した約60億の債務をリーマンブラザーズ傘下の債権買取会社サンライズファイナンスが債権を買い取った。つまり、ホテルの伝統や歴史を「ハゲタカファンド」に売っ払っちゃったわけです。

そして今年の5月、経営者である京品実業株式会社が、

・建物が新しい耐震基準に耐えられない。
・都市計画区画に入ったこと。
・後継者や引き受け先がいない。

を理由に10月20日の廃業と全員の解雇を告げたのですが・・・


明け渡しされた11月1日以降も従業員による自主営業は継続している。


京品ホテル入り口


準備中の日本料理「さが野」


一部の従業員が労働組合(ユニオン)を結成し解雇撤回を求めたのである。


逆にホテルのイメージが悪くなると思うのだが・・・


ホテルの内装はかなり老朽化が・・・


女性従業員は、

「電話も止められているので、宿泊予約も受けられないんです。明日には無くなっているかもしれません。」

と嘆いていた。このような状況で果たして顧客が満足するサービスの提供が出来るのだろうか。


外国人から「サービスが悪いから潰れるんだよ」と従業員が言われてました。

「一生懸命汗水たらして会社の為に働いて黒字化してきたのに、社長の放漫経営で勝手に社員全員解雇なんて許せないでしょう!私達は断固戦います!」

街頭でチラシを配布していた同ホテル従業員の一人が言ってましたが、だったらEBO(従業員による事業の買収や経営権の取得)を考えなかったのでしょうか?

今年65歳になる経営者がホテルを改築して運営していく リスクや、民事再生法の適用を申請したサンライズファイナンスも債務整理しなければなりません。従業員はリスクを負わず、経営者だけに責任を押し付けるのはいかがなものかと思いますが・・・。

日本的経営の象徴である“終身雇用”の時代はとうの昔に終わりました。会社員も会社から突然解雇されるリスクがあることを認識しなければいけません。



探偵こちガル



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