浮気調査〜その後（２）

かつてのターゲットであり、私たちに浮気を暴かれたＢ氏。そして、現在Ｂ氏とともに暮す浮気相手であったＣ子。この二人の元へ、毎週末、直接投函される「嫌がらせの手紙」。



犯人はＢ氏の元妻であり、私たちにとっては元依頼者のＡ子である可能性が高い。
ならば、Ａ子の行動を監視すれば嫌がらせの証拠が掴めるはず。
こうして攻守を逆転しての調査が開始された。

問題の週末。朝からＡ子の自宅を監視する。
日中、全く外出しなかったＡ子は、夕方になって外出。
一人で電車に乗り、とある駅で降りたＡ子は人待ち顔で辺りを見回しはじめた。



（まさか？）
私たちは緊張した。
「夕刻、女性が一人である場所まで行き、何かを待ち始める」この行動パターンは、私たちがイヤというほど見てきたものだ。すなわち「男性と会おうとする女性の行動パターン」

果たして、Ａ子は走ってきた一台の車を目にとめ、嬉しそうに手を振った。
車に乗っているのは男性が１名。
目の前で停まった車の助手席に乗り込んだＡ子は、運転席の男性と短くキスを交わす。



そして、二人を乗せた車は発進し……その後はお決まりのコースだった。
Ａ子は車で迎えに来た男性と食事を楽しんだ後、一緒にラブホテルへ入っていった。

Ａ子はＢ氏と離婚した直後から別の男性と交際を始めていたのだった。
いや、ひょっとしたら離婚前から交際していたのかもしれない。
（自分の浮気を棚に上げて、私たちに夫の浮気調査を依頼していたのか？）
私たちはＡ子のしたたかさに舌をまく思いだった。
しかし結局Ａ子はその日、Ｂ氏とＣ子の家に近寄りもしなかった。
そして、嫌がらせの手紙もその週末は投函されなかったのだった。

（今までは毎週末になると手紙が投函されていたというのに？）
この時期、偶然にもＡ子が嫌がらせを止めてしまったのだろうか？
いや、それにしてもおかしい。



Ａ子はすでに交際している男性がいる。
ひょっとすると離婚する前から交際していたのかもしれないが、とにかくＡ子は現在幸せなはずだ。
そのＡ子が、いまさらＢ氏とＣ子に嫌がらせなどするだろうか？

奇妙な違和感を感じた私はそれを確認すべく、次の作戦を実行することにする。


（つづく）



ガル探偵学校スタッフ