●更新日 09/27●


浮気調査〜その後(1)


ある浮気調査が終了した。
妻:A子さんが、夫:B氏の不貞を疑っての依頼だった。
調査の結果、A子さんの予感は的中。私たちはB氏の浮気の証拠を見事押さえることに成功した。
B氏の浮気相手はC子という若い女性。その身元を確認することにも成功した。

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夫の不貞の証拠を掴んだ妻には幾つかの権利が与えられる。
 ・一方的な夫との離婚が可能になる
 ・浮気相手へ慰謝料請求(不貞による精神的苦痛に対する)
依頼者であるA子は、B氏との離婚調停を進めると共に、C子への慰謝料請求の準備をはじめた。
しかし、基本的に探偵は調査が終われば、その後のことは関与しない。
A子さんの依頼は完了したのだ。A子とB氏とC子の騒動は、私たちのあずかり知らぬこと。
……と思っていた。
次の依頼者として、B氏とC子が訪れてくるまでは。


「嫌がらせの被害にあっているんです」
かつてのターゲット:B氏は、私にそう語った。
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あの後、やはりA子・B氏の夫妻は離婚したのだそうだ。
B氏は現在、浮気相手であったC子と共に暮らしている。

ところが、そのマンションへ毎週末になると『嫌がらせの手紙』が投函されるのだという。
手紙には消印は押されておらず、どうやら犯人は郵送ではなく直接ポストへ投函しているらしい。
そしてその内容は、
「B氏はとんでもない浮気者!」「女の敵のクソ男」「あちこちで女を喰いまくり!」
などなど。
B氏が複数の女性と交際中の不実な男であるとの罵詈雑言が書き綴られていた。
もちろんB氏には身に覚えのないことだった。

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「私はBさんを信じています」
B氏と共に来ていたC子もそう言って憤慨していた。
「確かに、Bさんは浮気の末に私と一緒になりました。しかし、不貞とはいえ真剣な恋愛の末のことです。誰かれかまわず女性に手を出すような人ではありません。根も葉もない中傷です。許せません!

B氏もC子も心当たりの人物は一人しかいなかった。
すなわち、元依頼者にしてB氏の元妻であるA子だ。

「A子は、B氏が浮気していたことを未だに根に持っている」
「同じく、C子のことも憎んでいる」
「『自分の結婚生活を破綻させた2人が幸せな生活をしている』」
「そのことを忌々しく思い、嫌がらせを仕掛けてきている」

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確かにそう考えるのが一番妥当だ。
私たちはかつての依頼者:A子を、今度はターゲットとして調査を開始した。

(つづく)



ガル探偵学校スタッフ



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