無念、脱毛。

前回のエステ案件は、良いんだか悪いんだか良くわからない結果となった。
だからこそ、次の脱毛案件には多大なる期待をしていた。

他の女探偵よりほんの少し年上なことを理由に
『この案件、私にまかせて』ぐらいの勢いで勝ち取った。

しかし、今回の内容は前回のエステに比べていくぶん難しい。
何が難しいかはここには書けん。

だが、ここは年の功！
何の為に老体にムチ打って女探偵やってんじゃい！
「アナタ、口から生まれたんじゃないの」ぐらいの黄金の口を使って全てを聞き出すのじゃ！
（要は親も驚くほどおしゃべりってだけ。聞き込みはおしゃべりさんにもってこいの仕事さっ）

何と言っても久しぶりの脱毛。心が躍る。
その昔、私が行っていた脱毛はあの恐怖のニードル脱毛。
とにかく痛くて痛くてたまらなかった。
1時間に5本しか抜けない時もあった。
今は亡きエステデ○ロードで高校生の分際で沢山の借金もした。

ニードルは痛くて泣けた。


しかし、最近の脱毛はちっとも痛くないというではないか！
その上、あんなところやこんなところまで脱毛してくれるらしい。
ってことで期待が高まる！！！

さぁ、いざ脱毛！！！




現場に着いた途端、建物の中に入る前から証拠がごろごろ見つかってラッキーな私。
喜び勇んで撮影をする。
当初の予定では中に入るまで何も掴めないと思っていたので幸先がよい！

「おっと、これはゆっくり脱毛受けられちゃうかもだぜ〜」
後は中に入って施術を受けてる時に、担当のお姉さんに聞き込みをするだけ。
まぁそれが難題なのだが、今日はうまく行きそうな気がする！

るんるんでサロンへゴー。
中に入って何食わぬ顔でごあいさつ。
まずは、お肌の状態を確認する為とカウンセリングからスタート。
私よりは確実に若い担当者なのだがとっても良い子。

最近歳をとったせいか、若い子達とちっとも話しが合わない私。
しかし、担当の女の子はとにかく話しやすく、話しが弾む。
無駄に弾む。
無駄に弾む。

30分のカウンセリング予定が軽く1時間経過。
エステに関係ない元彼の話しまで出てきた。
好きな食べ物までわかってしまった。
最低だった映画までわかった。
あーでもない、こーでもないと話しをしていたら、

すごいしゃべった

ついうっかり聞きたいことまで聞けてしまった！！

話しやすさとテンションの高さで聞き出せてしまった。
心を開くというのはこういうことかと感心した。
ちょっと自分スゲェーと思った瞬間でもある。
こうやって人は騙されるのかと・・・

しかし施術を受けながら聞き込みするはずだったのにうっかり施術前に任務終了。
しっかりまわっているボイスレコーダー。

・・・・・・。

OH〜NO〜！！！！

脱毛受けられなくね？（だって聞き出せちゃったから）


いやいや、この後脱毛を受けたっていいんだよ。
でもさ、でもさ、聞きたいことは聞きだせちゃってるわけじゃない？
しかもしっかり録音されてて、時間までわかっちゃってるじゃない？
ってことは、もう事務所に帰らないとまずいんじゃないの？

「あれ〜おかしいなぁ。ボイレコでは15：00の時点で証拠取れてるのに、なんでオマエの帰りは19：00なんだぁ？」なんて上司に言われちゃうじゃん・・・。

半端ない小心者の私は、そんな上司からの小言を想像してしまう。
ってことで、残念ながら脱毛されずに帰ってきた。

あぁ〜初の足の脱毛逃す。
無念。



女探偵リラ