●更新日 10/03●


バウンティハンター稼業


荒木です。




アメリカではポピュラーなバウンティハンターも日本では知らない方も多いと思うので、まずは制度について話しをしよう。


約130年前、警察機関も民間レベルで立ち上がったばかりの時代に発足。

凶悪犯罪が横行していたが捜査、治安維持のプロがいないわけだから業を煮やした最高裁判所は命知らずのならず者に追跡逮捕の権限を与えた。

いわゆる見せしめ的に、「毒を持って毒を制す」ということだ。


無論、デッド・オア・アライブ(生死を問わず)だから懸賞金目当てに殺し合いの決闘が至るところで繰り広げられた。それでも犯罪者が減少していったので政府にとっては好都合だ。



現在も法改正はあまりなく、民間でも警察以上の権限を持つのがバウンティハンター。

だが粗暴なならず者の俗語イメージを嫌う現役が多い事とプライドを込めて、FUGITIVE RECOVERY AGENT(犯罪逃亡者連行請負人)と呼ぶようになってきた。



その対象者=獲物の幅も広く、州警察やFBIなどの法執行機関が公式に賞金首にしている逃亡犯罪者。ベイルボンズ(保釈保証会社)の保釈金を踏み倒して裁判所に出廷しない輩や、不法滞在者まで着手する。

公式の獲物は高額な賞金がかけられているぶん捜査の難易度も危険度も当然ながら高い。

ボンズはドアをノックしたら家族と平然といるなんてケースもザラだから報酬も安いし、面白みはない。

獲物は自由に選択できるから、犯罪者にご対面までの捜査上のプロセスをこよなく好む俺の場合は、所持金と睨めっこして経費の余裕がある際には難易度があるのを極力選ぶようにしている。


苦労して目指す獲物が目前に現れた際の感激があるからこそ、この稼業の現場は病みつきになる。

それは探偵で証拠取りが成功したときの喜びと共通すると思う。

現場での成果があれば次の仕事へと繋がるわけだから、憶せずに多くの場数を踏むことでスキルアップすることを念頭に入れて行動するといい。


だが経験豊富だからといって自信過剰のぶっつけ本番は俺でも避けている。現場の入念な下調べとシュミレーションは必要不可欠だ。

次回は手掛けた多種多様な案件や対象者を紹介していこう。



ガル探偵学校



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