●更新日 10/12●
会話を洩らしていたのは
「家での会話が盗聴されているんです。盗聴器が仕掛けられていないか調べてください」
それは、29歳の主婦からの電話だった。
私は、盗聴器発見の調査のために、依頼者の自宅へ向かった。
まず、盗聴発見器を使って調査。反応はない。
念のため、他の方法でも探したが、仕掛けられた形跡はない。
当然、依頼者は納得していないので、場所を変えて詳しい話を聞いた。
なんでも、最近複数の近所の奥さんから、ご主人と依頼者しか知らないことを聞かされた。
依頼者は近所付き合いも頻繁で、いくつかの仲の良い夫婦とは、お互いの家で、ホームパーティーをする程だという。
依頼者は、仲の良い夫婦の誰かが盗聴器を仕掛けたと思い込んでいる様子だが、私に言わせれば、ご主人の方が、よっぽど怪しい・・・。
依頼者を説得して、ご主人の尾行調査をすることに。
ご主人は、商社に勤める32歳。
日曜日は必ず、競馬か、パチンコに出掛けるというので、日曜日に尾行することにした。
日曜午後1時、対象者は歩いて駅前のパチンコ店へ。
そのまま尾行すると、パチンコ店には入っただけで、すぐ、裏口から出てしまった。
キョロキョロしながら、携帯電話で話している。
約5分後、1台の車が裏口で止まった。運転しているのは、20代半ばの女性。
対象者は迷うことなく、後部座席に座った。
私は急いでタクシーを捕まえ尾行。
その車は、ラブホテルに入っていった。
証拠写真を撮るためにその場で待つこと2時間。2人は別々にホテルから出てきた。
正面からのツーショットは撮り逃したが、一応依頼者に写真を見せると・・・
「これは、○○さんの奥さんです」
発狂寸前の声をあげながら号泣。
「絶対引っ越して離婚してやる」と捨て台詞を残して帰った。
対象者が浮気相手に、奥さんとの会話を洩らしていたというわけだ。
旦那と友人に裏切られていた依頼者は、かなりのショックを受けたみたい。
人間不信になってなきゃいいけど・・・。
女探偵ノゾミ
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