●更新日 10/26●

80歳になった日


高年齢化が進む中、改めて高齢者について考えたいと思い、実際に80歳になってきました。

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高齢者疑似体験プログラム「うらしま太郎」。
耳栓や特殊眼鏡、手足の重りを付けて実際に高齢者の体力に近づけるというプログラムです。

着用してまず思ったのが、「見えにくい」。
そして外に出ると「聞こえづらい」。
後ろから自転車がきても気づかないし、ベルの音も聞こえません。

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▲足が言うことをききません……

階段は上るよりも下りる方が辛いし、怖いです。


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▲10円と100円の違いなんかわかりません


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▲切符を自動改札に入れるのも、簡単ではありませんでした

周りの世界はただ真黄色で、いつもと違ってシーンと静か。
電車に乗ると、急に悲しさがこみ上げて来ました。
不安は増し、閉鎖的な気分になっていきます。
つり革を掴もうとした腕は、重くて動きませんでした。

今回の体験で何より痛感したのは、高齢者にとっては心の負担の方がとてつもなく大きいという事でした。


今回ご協力頂いた〜五十嵐さんにお話を伺いました。
「最近では疎外感からくる辛さからか、一人暮らしよりも家族と同居している高齢者の自殺が高い と言われています。家族はもっとコミュニケーションのとり方を考えて、”抑えた声でゆっくり、はっきり、正面から”をこころがけて欲しいです。
もうひとつ重要な事は、老人にはプライドがあるということ。老いを認めたくない気持ちから、無理をしてしまう事もあります。だからと言って、”出来ないでしょ”なんて言って出来る事まで取り上げてはいけない。
難しいことですが、お互い素直に接する事が出来れば理想ですね。言葉ひとつで分かりあえる事もありますから」

このまま高齢化が進むと、2050年には3人に1人が65歳以上である高齢者社会になるといわれています。
「所詮他人事だから」と考えないでください。
沢山の人の理解で、今後の高齢者社会は明るくなるに違いないのですから。


介助する側の体験もしてきました。合わせてご覧ください



一二三 



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