●更新日 05/21●

踊らされた?『日テレ』VS『練馬区』


5月13日、日本テレビが以下のようなニュースを放送した。

東京・練馬区にある農園の周辺で、先月から猫が不自然な状態で死んでいるのが相次いで見つかっている。
付近の住民によると死んだ猫は約20匹に上り、いずれも全身が硬直して口から泡を吹いていたという。
警察は住民からの連絡を受けて13日、死がいの解剖を行っており、毒物などで死んだ可能性もあるとみて調べている。



▲日本テレビニュースサイト・NNN.comのGoogleキャッシュのスクリーンショット


猫などの動物好きがいれば、動物嫌いがいるのもまた事実。
探偵ファイルでは、過去にも『動物虐待』関連の話題を扱ってきた。
今回もまた、野良猫が気に食わない何者かが愚行に走ったのか・・・と思いきや、練馬区役所がこの件について公式見解を発表し、事態が一変した。
以下はその抜粋。

■猫の不審死報道について
猫の死骸は、石神井台三丁目にある老人クラブ農園付近で発見されたものであり、石神井警察署では猫の死骸からは毒物が検出されず、事件性はないと判断しています。
区でも保健福祉部および保健所で現地を確認しましたが、やはり毒物使用の形跡および猫の多数死の事実は確認できませんでした。
(全文はこちら



▲現場(とされた)付近にいた猫達。やんわり撮影拒否された。


この見解は、日本テレビの報道内容とあまりにも食い違っている。
事の詳細を練馬区役所と担当の警察署に聴いた。





○練馬区役所の話
報道がされて、市民の方々からのお問い合わせが多数ありましたので、警察と協力して調査を行いました。
その結果、当該地域で2匹の猫の死骸があった事実が確認できましたが、それだけです。毒物の痕跡も、『20匹』という大量死の事実も確認できませんでした。
サイトにあの文章を記載したのは、市民の目に届きやすいと思ったからです。早く安心して頂きたいですしね。

○石神井警察署の話
あの報道では触れられていませんでしたが、住民からの『猫がたくさん死んでる』という通報は、先に日本テレビの方に寄せられました。
その後こちらに連絡が来た形になります。それが住民からなのか日本テレビからなのかは、ちょっとわかりませんが。
とにかく、猫の死骸の内容物(食べた物など)を調べましたが、毒物は検出されませんでした。病気も含めて、自然死だと思われます。





では、この声明に対して日本テレビはどう思っているのか。社会部の方に意見を聴いてみると、こんな返事が。

えっ!?練馬区がそんな発表を?
・・・我々としては、住民や警察の方から取材した結果を報道しただけです』

報道も、役所や警察の発表も、全てが正しいとは限らない。
ならば真偽を自分の目で確かめようと、実際に現地へ行き、周辺住民に聞き込みを行った。
が、返って来た言葉は・・・

「そんな事件、知らない」

だけ。猫の多数死は、認知すらされていなかった。
どうやら今回は、日テレが偏った情報に踊らされたようで・・・



探偵ファイル・静山



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