●更新日 05/20●

内職商法業者を苛めてみる


業務提供誘引販売取引

特定商取引法51条によれば、
(1)「業務提供利益」を収受しうることをもって顧客を誘引し、
(2)「特定負担」を伴う、
(3)「商品の販売もしくはそのあっせん、または役務の提供もしくはそのあっせんに係る取引」、
に分説される
(国民生活センターの業務提供誘引販売取引の定義とクーリング・オフより引用)



「ウチの講座を受講すると資格が取れますよ」「コレを買うと仕事を紹介しますよ」と言って物を売りつけたりする資格商法内職商法などがこれに当てはまりますね。業務提供誘引を行なう場合、同じく特定商取引法の52〜58条によって、「特定負担」や契約解除に関する説明などをすることが義務付けられています。しかし、実際には法律で規制されているものの、要件が複雑であるためか、業者の多くは適用対象ではないとして争い、書面交付義務やクーリングオフ制度を守っていないことが非常に多いのが実情です。
それを踏まえた上で今回の指令メール。


在宅ワークを斡旋している有限会社アルシオという会社に資料請求をした所、2,3日後に電話がかかってきました。仕事に関する説明や使っているパソコンについての質問が延々続き、「お金がかかるのでしょうか?」と訊いても「まぁお金がかかると言っても自営業だと思ってもらえれば・・・」とあやふやな答えしか返ってきません。何度も訊いてようやく答えてくれたのは、なんと40万円以上。本当にこのような登録費用や研修費って必要なんでしょうか?



問題の会社のサイトを見てみましょう → http://www.arconet.jp/prod/



『企業・団体から外注されるお仕事をホームオフィススタッフとして請け負って頂きます。』
『貴方に合う多種多様な進路先をアドバイス!ホームオフィススタッフ登録先を必ず見つけます。』

といった文章や、給料の支払方法や業務の流れなどの説明が並び、あたかもこの会社が在宅ワークを紹介しているような印象を受けます。費用についての説明は一切書かれていません。

ところが、資料請求をして説明を受けた所、

・最初1年は別会社に所属し、2ヶ月から半年の研修を受けなければならない
・そのため、すぐに仕事ができるというわけではない
・この研修は経験者や資格所持者でも必ず受けなければいけない
・研修に使うソフト代やサポート料、登録費用など全て含めて税込491,400円が必要

 
▲配布している資料より。「100万円以上した超有名ソフトも含まれている」という売り文句を聞かされましたが、そんなソフトは探しても見つかりませんでした。

などなど、サイトでは説明されていないシステムが出るわ出るわ。
これは、最初に述べた「業務提供誘引の広告には特定負担などについての説明をしなければならない」という義務を守っていないのではないでしょうか。

そもそも、普通の在宅ワークなら即戦力になる経験者や資格所持者が優遇されるものですが、そのような措置は無く、むしろ初心者を取り込もうとしている事や、約50万円という高額な教材を買わなければいけないというのもおかしな話です。どこからどう見てもうさんくさい所ばかりですね。

というわけで、この会社に直接話を訊いてツッコミを入れてみることにしました。はたして彼らは客とトラブルになった時、どのような言い逃れをするのでしょうか?
その内容はまた次回。



探偵ファイル・千明



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