●更新日 04/26●

ヤッシーオンステージIN中央


東京国際ブックフェア(東京ビッグサイト)の出版業界向け講演会に現れたのは、ヤッシーこと田中康夫長野県知事。 (23日)


▲知事のキュートな顔を敢えて思い出す必要があれば画像をクリック。


講演のサブタイトルは「環境をなげくのではなく、あなたが読者に何ができるのかを考えよう!」
多くの出版関係者が知事から貴重なアドバイスを受けるべく会場に足を運んだのだが、知事が喋りたいのはやっぱり長野県。
講演は有名な“脱ダム宣言”をはじめ、知事の政見が満載である。

とはいえ、不況続く出版業界へのヒントが長野県政から見つかるかもしれないということもあり、聴くほうも各々真剣。
昔から皮肉られてきた知事独特の“ヤッシー節”がこの日も好調なため、高い天井を見上げながら話を整理する人、毒舌を理解してニヤリとする人、放棄したのか居眠りを始めてしまう人など様々であった。

そんな知事の話の中から一つ、「太ったブーメラン現象」を紹介。

実際にダムを作るのは、例外なく県外の会社と県内の会社によるジョイントベンチャーが組まれまして、県外の会社に8割のお金が還流されるわけです。
つまり東京から事業がやってきて、天下りの人がやってきて、東京からコンクリートと鉄の塊がやってきて、地元から租庸調のようにお金を巻き上げて中央に還流されて、このお金が150歩譲って銀座や大阪の新地で使われるならまだ地下経済に潜っていきますが、公的資金を入れても役員が1人も辞めないような都市銀行が管理しているゼネコンであるということで、そうした都市銀行の救済のために使われていると。
つまり私達県民は7.5%の浄財を納めてですね、何ら責任も取らない都市銀行の救済ファンドを作っていたということになるわけですね。
つまり中央からお金がやってきても租庸調を納めていると。
この構造を、膀胱腫瘍で膀胱を摘出して小腸を60センチ切って新しい膀胱を作る前の私の太った体に似せて「太ったブーメラン現象」と呼んでたんです

知事がカタカナ好きなのも有名な話で、「クリエイティブコンフリクト」「ディテイル」「リードビートゥーインザアラインズ」「アジェンダ」をはじめ多くのカタカナが合い間に数多く挿入された。

このように知事は難しい話をたまにわかりやすく、たまにわかりにくく話すのが特徴。
しかしヤッシー節を難しくしている最大の要因は、これまた知事独特の語り口調ではないかとも思われた。
文末の「。」まで一息で喋っているのでは?と思ってしまうほど疾走感があり、抑揚はあるもののスピードを緩めることなく次から次へと畳み掛けてくる。
ミネラルウォーターのキャップを開ける時まで「キャップをあけます」と一々実況してくれるなど、講演中の知事は大忙しだ。

喋りたい盛りの知事を迎えた講演は、11時〜12時30分までの予定のところ、終了時刻は12時47分と17分オーバー。
お腹の空くこの時間帯で17分オーバーが参加者にとってどれだけの重みなのかは容易に推し量れるところだが、講演途中で席を立つ人などはほとんどいなかった。

観客を帰らせない講演。知事のキャラクターがあればこそだが、それをサラリとやってのけてしまうあたりはさすがと言える。




ほとんどの人が仕事で来ていたということはさて置いて。。。



探偵ファイル・カグウェル



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